...やってしまいました。
最近陰陽道にハマっちゃってるんですが、仮面ライダー龍騎だけでなく、私のもう一つの大好きなコンテンツ、バイオハザードも陰陽道で分析できるんじゃないか?って思ってやってみたら...
できちゃいました。
意識してるのかしてないのかわかりませんが、ちょっとゾッとするくらいに陰陽道的観点からの一致が多かったのでご紹介していきます。
災いは鬼門からやってくる
まず真っ先に考えたのが「鬼門」に何か起きていないか?です。
陰陽道では、北東の方角は「鬼門」と呼ばれ、災いが入り込むよくない方角とされています。また、鬼門の反対側・南西の方角は「裏鬼門」と呼ばれ、これも好ましくない方角とされています。

ちなみに、十二支で言えば北東は「丑寅」だから、鬼は「牛」の角に「虎」のパンツなわけです。
実際、奈良時代に建てられた平城京では、鬼門に東大寺、裏鬼門に薬師寺、平安時代に建てられた平安京では、鬼門に比叡山延暦寺、裏鬼門に石清水八幡宮...といった感じでガッチリ守りが固められています。
それでは、バイオハザードRE:2のラクーン警察署はどうでしょう?
ラクーン警察署の北東側といえばやはり、タイラントが登場する2階屋上ですね。

但し、この鬼門へのアクセスは当初厳重にロックされていました。攻略順に振り返っていきましょう。
まず、警察署に到着してしばらくは1階ホールが安全地帯となっています。

で、なぜここが安全地帯になっているかというと、数少ない生存者であるマービンが辛うじて「結界」を張ってくれていたからです。
ホールからアクセスできる扉は基本的に全て鍵がかかっている上、西側廊下への通路はシャッターで完全に封鎖されています。

これらは全て、警察署北東の鬼門と、南西の裏鬼門を封じる結界です。
そして、ゲーム序盤に登場するエリオットは、警察署の北東の通路で惨殺されます。鬼門からの脱出に失敗したとも言えるでしょう。


エリオットが死んだ1階北東側は、ゲーム中盤まで厳重に閉ざされていて外からは開けることができず、同2階にも防火シャッターが降ろされています。
特に2階は厳重で、スペードの鍵と防火シャッターだけでなく、途中からカプコン製ヘリ墜落ノルマの火災によって三重に封鎖されることとなります。


ヘリコプターの墜落は、言わば「天からのお助け」が鬼門の穢れによって焼き払われたことを象徴する絶望的な演出です。鬼門を塞ぐような形で墜落したヘリによって、更に穢れや災厄が滞留し淀み続ける最も危険な状態になります。
そして、プレイヤーがヘリコプターの火災を消火し「鬼門の根詰まりを解いた」瞬間、タイラントが登場する訳です。

続いて、タイラントが登場した後にホールに戻ると、マービンがゾンビ化し、最後の安全地帯だった1階ホールも陥落します。これも、鬼門が完全に開かれてしまったからだと考えることができます。
そして、警察署地下から1階へ伸びる階段も、署の「北東」にあります。


更に、カードキーを入手した後エイダと向かう地下道入口も警察署の北東に位置しています。


街を壊滅に追いやったTウィルス=諸悪の根源も全て鬼門からやってきたということになりますね。
更に更に、もっと俯瞰してラクーンシティ全体のマップを「RE:3」から見てみましょう。

...おいおい、「1」の舞台になったアークレイ山地も洋館も全て鬼門に位置してるじゃねぇか。
※このことは、現在リリース間近の最新作「レクイエム」のトレイラーからも推察できます。街の北東部、アークレイ研究所付近を爆心地として崩壊したラクーンシティが登場します。アークレイ山地は古い資料だと当初は「北西部」と設定されていた痕跡がありますが昨今の「RE化」の中で設定が再整理され現在では「北東部」が有力となっています。そこに何らかの意図があるのか?それとも偶然か?
つまり、警察署だけでなくラクーンシティ全体が鬼門に以下のものを集中的に配置していることになります。
- 非合法な生体実験
- 極秘の研究施設
- 超危険なウィルス
- 数多くの死体
陰陽道的に言えば、「鬼門に穢れを集積している」状態であり、自ら結界を崩壊させる陣形となっていたのです。都市設計そのものが最初から詰んでいたわけです。
血まみれの裏鬼門
ちなみに、「裏鬼門」である南西の方角には何があるか?
表編(1st)でリッカーが外を這う3階西側通路窓や、実際にリッカーと初遭遇する2階S.T.A.R.S.オフィス前の通路は、完全に裏鬼門に位置しています。なお、裏編(2nd)ではここでタイラントと最初に遭遇します。


更にこれのほぼ真下にある1階の西側通路はすでにリッカーによって血の海と化していました。


つまり、表編/裏編共通して、リッカーは裏鬼門からやってきます。そしてタイラントは、表編では鬼門から、裏編では裏鬼門からやってくるのです。これは単なる偶然なのでしょうか?
そして更に恐ろしいことに、同じく警察署3階南西側は...


発狂したゲス野郎署長によってバリケード内で警察官たちが惨殺されていました。そしてこのバリケード(=結界)をC4爆弾で破壊した途端、やはりここでもリッカーが登場します。
ちなみに、1階の西側通路には他にも多くの窓があって、表編では3枚の割れた窓を木板で塞がなければ後からゾンビが侵入してきますが、中でも裏鬼門に位置する「南西の窓だけ」が異様に血まみれです。

気になったので、改めて1階・2階・3階の南西側の状態を並べてみました。

3フロアとも、裏鬼門に位置する南西部分だけが見事に血の海になっています。
マービンが託したナイフの真の意味

不自然にもナイフが突き刺さったこの壁、どこだかわかりますか?
実は、エリオットが死んだ鬼門シャッターの内側の壁なんです。

で、ナイフと言えばホールで最初にマービンからナイフを形見のように受け取ったシーンを覚えているでしょうか?

レオンはこのナイフを使って裏鬼門に繋がる西側通路前のシャッターの開錠ボックスの黄色いテープを切っています。

二つの鬼門に関わる場所に登場する二本のナイフ。これは、穢れを切り裂く「刀剣」のメタファーではないでしょうか?
というのも、陰陽道において「刀剣」は「境界を切り裂き、穢れと現世を切り離す」ための神器として扱われるものだからです。
但し、裏鬼門(西側)ではマービンとレオンによって「人の意志で使われている」のに対し、鬼門(東側)では「放置されている」という正反対の扱われ方になっている点に注目したいと思います。なぜなら陰陽道において「刃」は意図を持って使われたとき「だけ」効果を発揮するとされているからです。

裏鬼門(西側)では、マービンがもう自分では警察署を守れないと悟り、その任をレオンに継がせる形でナイフが託されます。開錠ボックスのテープという「仮止めの封印」を解き、真に穢れの討伐に打って出る覚悟をレオンが決める瞬間です。裏鬼門では、人の意志で穢れを断つ行為が行われていました。
一方、東にある鬼門側では、ナイフがシャッターの内側=鬼門側の壁に刺さったまま残されていました。これは、穢れを断つ意志が途中で止まったままであることを意味していると考えられます。※このナイフが少しだけ刃こぼれしているのがまた意味深。
つまり鬼門側には人の意志が負けた痕跡が残っているのです。
裏鬼門側マービンナイフ

- 裏鬼門のシャッターを開けるために使われる
- マービンからレオンに託される
- 刃こぼれしていない(耐久値MAX)
- シャッターは外から開けられる(能動)
鬼門側置き去りナイフ

- 閉ざされた鬼門側に残されている
- 壁に突き刺さって放置されている
- 少しだけ刃こぼれ(耐久値微減)
- シャッターは外から開けられない(内側から開扉=受動)
西側のシャッターを開けるのにわざわざテープを切るモーションを追加してまで「ナイフが必要」という設定にしてあるのはもう狙ってやっているとしか思えません。
あのテープは手で剥がすのでは不十分で、「人間の持つ刃」で「斬られる」ことに意味があるのです。
しかもそこに、マービンからレオンへの「守護者の継承」というドラマを絡めている点が素晴らしく、単に銃を向けて追い出した初代PS版(これはこれで熱いが)を超えた「名リメイク」、「名アレンジ」と言えます。

...しかしながら、レオンが到着した時点でもしマービンさえも死んでいてメインホールが先に陥落していたら、鬼門と裏鬼門が一直線に繋がり、警察署内はもっと酷いことになっていたと思います。

ホールという安全地帯をマービンが死守したことにより、鬼門と裏鬼門が繋がらなかったことこそがマービン最大の功績だったのです。
※マービンが既にゾンビ化しホールが早々に陥落した世界が裏編(2nd)とも言えます。ホールモニターの映像(鬼門カメラ)はエリオットではなくタイラントを映し出し、1階裏鬼門にリッカーが初期配置され、2階の裏鬼門からは表編よりかなり早いタイミングでタイラントが登場し、自由に署内を動き回ります。ゾンビの数も増えており、初見プレイヤーの多くは絶望させられます。
警察署という名の結界建築
最後に、警察署という建物そのものについて。
陰陽道的に「陰」と「陽」は、大雑把には以下の要素に分解できますが、
- 「陰」→死・混沌・怨念
- 「陽」→生・秩序・規律
そもそも警察署とは本来、街全体の秩序を守る「陽の極地」とも言える場所です。
そんな警察署が恐怖の渦に飲まれ大量虐殺で死体の山が積まれている状態ということは、「陽の器に陰が溢れかえった状態」、つまり「陰が陽を乗っ取った状態」であり、これは最も災厄が起きやすい最悪の状態といえます。
このように、本来あるべきものの姿を逆転させてしまうことを「逆さごと」と言い、人為的に呪いを生む場面等で悪用されることがあります。
もちろん、常時においてはラクーン市警も普通の警察署として機能していたはずですが、それにしてもこの警察署、ちょっと変でしたよね?一応、「元美術館だったところを改装した」というエクスキューズが与えられてはいますが、謎ギミックに満ちた変態建築でした。
ですが、一つ一つをよく見ていくと、

- 獅子像:古今東西、魔除けの代表モチーフ
- ユニコーン像:純潔、癒し、高貴の象徴
- 女神像:調和や美、または愛の象徴
- 宝石やメダル:霊的な鍵、または結界の要石(かなめいし)
と捉え直すこともでき、要は、ラクーン警察署自体が、何かを封じ込めるための「結界建築」だった可能性があります。

警察署攻略において最後に入手できる「クラブの鍵」(クレア編で言えば「ハートの鍵」)で開けることができる二つの部屋は、同じ鍵で施錠されているにも関わらず不自然なほど離れていました。

普通に考えれば不便なことこの上ない設計ですが、実は鬼門と裏鬼門に位置する2部屋を施錠していた、と考えればしっくりきます。
※ハートの鍵で施錠されている署長室etcも全て警察署北東側、鬼門エリアに位置しています。
そもそも、銃器を手にしたプレイヤーがドアを破壊せず真面目に鍵を探しては開けて回るプレイスタイルに違和感を持った人は多いと思いますが、このゲーム自体が、結界を一つずつ解きながら穢れを断ち切る陰陽師ゲームだった、というぶっ飛んだ新解釈も成立し得るかもしれません。
いやー、まさか陰陽道的観点からの分析がここまでできるとは思いませんでしたね...。また何か見つかれば(もうすでにあるけど)掘り下げてみようと思います。
(了)
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