バイオハザードRe:2の本編で一番最後に入手できるファイル、「研究記録」という資料を覚えているでしょうか?
ラクーンシティの地下に建設されたアンブレラの極秘研究所NESTの中でも最奥のGウィルス研究エリアのPCから閲覧可能なファイルで、例によって非人道的な様々な実験の模様が記録されている資料ですが、これ実は相当胸糞悪い実験やってたってご存知ですか?
ベタな言い方ですが「ゾンビや怪物より何より人間が一番怖い」ってやつですよ。
トムの日記(孤児院)
この資料と実は深い関わりを持つのが、本編中盤(しかもクレア編のみ)に登場する孤児院です。孤児院の中で入手できるファイルを振り返りましょう。
まずは「トムの日記」です。
トムには、かけがえのない親友オリバーがいたようですが、オリバーは先に里親が見つかり孤児院を出たようです。
「ブギーマン」とは広く都市伝説として子どもたちの間で昔から語られる「オバケ」のような存在です。
「俺たち、まるでー」?
そんなトムにも里親が見つかった。それが意味することとは?
「顔が溶けて剥がれて…」まるでゾンビのようだが一体何があったのだろう?
更に歩を進めると持ち主不明の日記が見つかります。
ここで一体何があったのだろう?そしてこの日記が院長室にあるという事実が意味することは?
言われてみればこの孤児院、「保健室」にしたって異常な量の注射器、
外にはなぜかお墓までたてられています…。
院長の手紙(孤児院)
クレアで孤児院2階に上がると「院長の手紙」が入手できます。
※当然「院長」というのはラクーン市警署長も兼任しているブライアン・アイアンズ(クソ野郎)であることは同孤児院内で入手できる「サリーの日記」にある通りです。
では「院長の手紙」を見てみましょう。
「2月19日」というのは「トムの日記」でオリバーが怪物のような姿で孤児院に逃げ帰ってきた日付と一致します。
「被験体628」というのはオリバーのことでしょう。やはりこの孤児院の子どもたちは地下研究所の実験材料として利用されていたのです。
そして「全ての被験体候補を廃棄処理」したのが「 の日記」に書かれていた出来事であり、「保安部隊」というのが「ブギーマン」の正体だと思われます。「黒くてたくさん」という表現からハンクのような特殊隊員たちを指すと思われます。
この黒くて重い銃口が小さな子ども達にも向けられたのでしょうか?
本編が9月末の出来事ですから、それより半年以上も前にパンデミック一歩手前の重大インシデントが起きていたわけですね。
「研究記録」(研究所)
では、オリバーと恐怖の再会を果たしたトムはどうなったのでしょう?他の子どもたちのように「廃棄処理」されてしまったのでしょうか?…いや、彼にも「養子の話」が来ていたことは日記からも明らかです。ということは…。
彼らのその後が研究所最奥エリアで入手できる「研究記録」にて確認できます。
その前に、Gウィルスの特徴を押さえておきましょう。下水処理施設に到着してすぐに入手できる「Gレポート」にその一端が垣間見えます。
シェリーの母・バーキンと初めて対面した直後に入手できます。
この資料からは、Gの生物兵器としての致命的な欠陥が読み取れます。それが「知能の低下」です。
これでは、例えば同作にも登場するタイラントのような特定の任務遂行能力は期待できません。そしてGの最大の欲求は「生存」と「生殖」に絞られます。そのため、ウィリアムの実の娘であるシェリーもつけ狙われることとなったわけですが…。
話を「研究記録」に戻しましょう。
被験体628といえばオリバーです。「t-ウィルスへ微弱な耐性を示した」ことは「トムの日記」の記述とも合致します。皮膚がただれ、t-ウィルスの症状が現れているにも関わらず自我を失わずトムを求めて研究所から孤児院まで自力で脱出・帰還したのですから。
しかしそんなオリバーにもGが投与されてしまったようです。しかも、「深い親交のあった639」とは間違いなくトムのことです。
24分の抵抗の末、トムにも胚の植え付けが完了したとのことですが、孤児院時代の親友に惨殺されるトムの恐怖たるやいかなるものだったでしょうか。
と同時に、半端に自我を残したがゆえに親友を想う気持ちとGの本能の狭間で葛藤し続けたオリバーの苦しみたるや…
想像もしたくない、誰にとっても地獄の24分だったでしょう。
研究目的としては、Gの弱点である「知能の著しい低下」をt-ウィルスによってカバーできるかどうかを検証したかったのでしょうが、その手段が外道すぎます。
このカプセルに眠るサンプルの数々も、元は孤児院の子どもたちだったのかもしれない。
この空間が多数のG実験に使用されたことは想像に難くない。
「また2人で冒険に行こう。」
トムの日記に残した最後の言葉が、悲しく重く、胸に突き刺さります…。
(了)