ADAMOMANのこだわりブログ

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サイドバッシャーのAIについて〜草加雅人の歪んだ愛情〜

SO-DO CHRONICLE 仮面ライダー555 サイドバッシャー

「仮面ライダー555」に登場したライダーマシン・サイドバッシャーに搭載されたAIについて考察します(ニッチ)。

 

オートバジン

第9話

第9話

まずはファイズの愛車・オートバジンからです。

オートバジンは、ファイズギアと共にスマートブレイン前社長の花形より義娘・園田真理へ送られたオートバイで、第4話で初めてバトルモードに変形しましたが、その経緯は非常に特殊でした。

まず、巧のファイズギアがオルフェノク二人組に奪われてしまい(サボテンとカマキリ)、ベルトを奪ったサボテンは自らファイズに変身するもまさかの仲間割れを起こし、マンティスを殺害後、巧・真理・啓太郎に迫ります。

あわや危機一髪という瞬間、真理の悲鳴に呼応するようにして、オートバジンが自動走行の後に変形、彼らのピンチを救います。

ここで注目すべきは、オートバジンのAIはファイズギアの装着者をサポートするのではなく園田真理を守るために起動したということです。これはおそらく送り主である花形がそう設定していたのでしょう。

きっとファイズギア装着者のサポートも組み込まれているとは思いますが、それよりも真理を優先するようプログラムされていたのだと思います。

その後、第8話でファイズのサポートに現れたオートバジンは、ファイズを巻き込む勢いでマシンガンを連射。巧にブチギレられて押し飛ばされます(笑)

その後、第22話でホースオルフェノクの奇襲を受けたファイズを助けに来たオートバジンは、迷いなく敵・味方の区別をした上でマシンガン攻撃。第30話では、変身が解けた巧をジェットスライガーのミサイル攻撃から救出。数々の戦いを経てAIが学習・成長していることが感じられました。

そしていよいよ最終回では、巧にファイズブラスターを届けるという重要な役目を果たして爆散。当初は「園田真理を守る」という単純な命令しか守れなかったオートバジンが、いつしかファイズの、というか乾巧の立派な相棒になった瞬間だったと思います。

 

サイドバッシャー

第15話

第15話

その点、サイドバッシャーはもっとシンプルな作りをしているようです。

第15話、バトルモードとして初登場し、色々あってファイズとカイザの戦闘に加勢。オートバジンもブチギレてカイザにマシンガン連射してる最中だったのですんげー乱戦になっちゃう訳ですが、この際のサイドバッシャーの動きからしても単純に「カイザギアの装着者を守る」という行動原理に従って動いているように見えました。

これは非常にシンプルでわかりやすいし必要十分な機能に思われますが、よく考えるとちょっと危険な仕様です。

第4話で真理たちが遭遇したように、もしカイザギアが何らかの理由で敵に奪われたら…ベルトのみならずこの超火力を秘めたサイドバッシャーもろとも敵に奪われてしまうことになります。

このように、カイザギアがファイズギアより前に開発されたベルトであることを根拠に、サイドバッシャーの方が数段劣ったAIを搭載している、と考えることは十分可能ですが、実はサイドバッシャーにもオートバジンと同等のAIが組み込まれていたと考えられなくもないのです

特に、カイザギアはデルタギアの後に開発されたベルトですが、ファイズギアとの共通点が非常に多く、ファイズギアとカイザギアは実はかなり近い時期に開発されたのではないかと私は考えています。であれば、サイドバッシャーとオートバジンにも同程度の技術力が注がれていると見るべきだと思います。

オートバジンの例を元に考えると、カイザギアが一番最初に送られたのは高宮くんなので、彼の元に送られた当初は、サイドバッシャーはカイザギア使用者及び高宮航太を守るように設定されていたと考えるのが自然です。

※なぜ高宮くんが選ばれたのか?は、劇中の園田真理のキャラクターを考えれば自ずと予想はつきます。おそらく真理同様花形から厚い信頼を受けていたのでしょう。適合できず亡くなってしまったのが惜しまれるキャラクターです。

しかし、高宮亡き後の本編映像だけではどういったAIがサイドバッシャーに組み込まれていたのか判断のしようがないというのが実態なのです。

 

サイドバッシャーの謎

ただ、その手がかりと言えるでしょうか、劇中のサイドバッシャーには決定的におかしな点がありました。それは、劇中でたった2回しかバトルモードにならなかったことです。

※勿論フルCGキャラの予算問題であることは重々承知ですがここでは劇中世界における原因をクソ真面目に考えてみようと思います。

初登場時に「カイザギア装着者の危機を救うため」という目的でバトルモードが起動したのだとすれば、もっとカイザのサポートに来てくれそうな場面はたくさんあったはずです。

特に澤田ことスパイダーオルフェノクやデルタ登場後のカイザはファイズと共に苦戦を強いられる場面が非常に多く、サイドバッシャーも侵入できない狭い空間での戦闘を除いたとしても、例えば草加雅人最期の戦い(48話)なんかは絶対にバトルモードが出動するべきだったと思うのです。

もしかすると、サイドバッシャーの自律行動機能(AI機能)は草加雅人によって停止させられていたのかもしれません。サイドバッシャーのバトルモード(及び自律機能)は、何らかの理由によりマニュアル操作でしか起動できない状態にあったということです。そう考えればまぁ辻褄が合います。事実、初登場の15話以外(劇場版含む)では、カイザのボタン操作によってのみバトルモードが起動しています。

そして、そんな細工を施すとすればそれは草加雅人以外には考えられないのです。

 

草加雅人の性格

第16話

第16話

劇中の草加を思い出してみてください。彼は結構頻繁にサイドバッシャーを洗車していました。かなり愛情を注いでいるようにも見えますが、そんな彼だからこそ、サイドバッシャーの機能や性能についてはかなり調べていたと予想できます。

そして彼はおそらくかなり早い段階で、サイドバッシャーに組み込まれたAIの設定を何らかの方法で確認したのではないでしょうか?

草加雅人の性格を考えれば、自分を差し置いて「高宮航太を最優先で守るように設定されている」なんて絶対に許せなかったはずです。なぜなら、

「自分のことを好きにならない人間は邪魔」

だからです。そんな彼の歪んだ世界観は、機械にまで及ぶほど狂気的だと想像できます。だから彼はサイドバッシャーのAI機能を「オート」から「マニュアル」に切り替えてしまった。

あるいは、彼ってよく「自分がやられて可哀想なフリ」(被害者ヅラする小芝居)とかして巧をハメたりとかそういう悪いことをよくしてましたよね。例えば第15話みたいにファイズにボコられた芝居をして変身解除した草加が痛がってる演技をしてる最中に、もし勘違いしたサイドバッシャーが草加を守るためにブチギレて突っ込んできたら...。それはそれで可愛すぎるというか面白すぎるので見てみたいですが草加としては当然不都合なはずです。

要は草加って自分のことしか基本的には信用していないので、機械が自律して勝手に戦闘に割り込んだりサポートしてくるとか嫌だったんじゃないでしょうか。

※そう考えると、もし真理が草加と付き合ってたら...真理も自分で考えて行動することをかなり制限されてたような気がします。めっちゃ束縛強そう!ってことがサイドバッシャーの扱いからも想像できるのです(マテ

そして、結果的に彼のその判断が命取りになった...とも言えるような気がします。

いやぁしかし、オートバジンみたいに6連ミサイルをカイザもろとも戦場にブッ放して「君、何考えてるのかな...」って血まみれの草加に詰められるサイドバッシャーとか、日に日に成長を重ねて草加にゾッコンで毎週変形してくれるサイドバッシャーとか見てみたかったなぁ〜。

(了)

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