「クウガ」に残された謎や設定の隙間を、公開されている情報を元に好き勝手考察しまくる本シリーズ。
第三弾は、ファンの間でも多くの議論を生んでいる問題、「先代クウガはどうやってグロンギと戦っていたのか?」について考えたい。
とりわけ、金の力も究極の闇の力も抜きでどうやってダグバを封印したのか?も気がかりだが、まずは通常のグロンギとクウガがどうやって戦っていたかをここでは扱うこととする。
◆「封印状態」とは?
前回、現代のクウガの封印エネルギーは厳密には封印エネルギーにあらず、五代の意志に従ってグロンギを確実に殺すためアレンジされた必殺攻撃であることを明らかにした。
それでは、先代クウガが放っていた技にはどのような効果があったのか?
その考察に入る前に、第1話で土中から復活したグロンギたちの様子から、彼らが一体どのような状態で封印されていたかを整理したい。
- 土中で休眠状態
- 年齢も変わっておらず冷凍保存にも近い状態
- ダグバの手で復活していることから先代クウガの生死には直接関係がない
→魔石ゲブロンは活性化してはいないものの、生命維持機能だけは存続している
ということが概ねうかがえると思う。
このことからもやはり、通常グロンギとダグバは全く別の方法で封印されていると考えるべきであり、やはりここは分けて考察を進めていきたいと思う。
◆封印エネルギー=筋肉弛緩弾?
まず、先代クウガの攻撃はあくまでグロンギを殺傷するものではなく、一時的に活動停止に追い込むためのものであったと予想される。
一時的な活動停止と言えば、第42話に登場した筋肉弛緩弾が想起される。これもまた科警研の榎田氏によって開発された、筋弛緩剤を大量含有した特殊兵器だ。
タイタンフォームの生体装甲をもボッコボコにした超強力怪人ゴ・バベル・ダですら、これを1発喰らっただけで攻撃がピタリと止んでしまい、クウガに反撃のチャンスを与える起死回生の一手となった。
神経断裂弾の攻撃が、五代クウガの必殺技の代替兵器として完成したように、筋肉弛緩弾が実は、先代クウガの攻撃技と相似関係にあると考えれば面白い。
これはあくまで仮説ではあるが、先代クウガの必殺技は、効果を限定的に抑えた神経断裂攻撃によってゲブロンと肉体を分断して再生能力を抑制し、続いて筋肉弛緩効果のあるエネルギー波を注入して肉体の活動を完全に停止させる。この二段構えの攻撃によって「封印」としているのではないだろうか。
◆グロンギ復活エネルギーとは?
この封印攻撃のポイントは、魔石ゲブロンから伸びる運動神経のみを破断し、生命維持機能だけは存続させるという部分にあるだろう。
この説がある程度有力ではないかと思える理由は、繰り返しにはなるが、あのゴ集団最強三人衆の1人、バベルを一時的にとは言え活動停止に追い込んだその威力にある。金の力がない先代クウガでも、ゴ集団とまともに渡り合えるだけの戦闘力があった根拠になるのではないだろうか。
ここで、先代クウガの封印攻撃の謎が解けたとなれば、1話冒頭で大量のグロンギを復活させたダグバのエネルギー波の謎もほぼ解けたことになる。
単純に、その逆をすれば良い。破断されていた腹部神経を修復し、弛緩状態にあった筋細胞を再生させれば良いのだ。
ダグバがグロンギ復活の前にベルトに手をかざしているのが象徴的で、これもやはり魔石由来のモーフィングパワーによるものと見るべきだろう。
…しかし、封印という行為を科学的に筋弛緩弾と神経断裂弾に置き換えてもなおしっくりこないもやもやが残る。
その正体は、呪術的な何かであり、恐らくリントにとっての「祈り」と、グロンギにとっての「呪い」という言葉で形容されようか。
次回はバラのタトゥーの女ことバルバの持つ指輪の効力と呪詛について考察してみたい。
(了)