まずは是非こちらをご視聴あれ。
『ウルトラマングレート』『ウルトラマンパワード』Blu-ray BOX、待望の発売決定!
- ①オーストラリアの広大な自然を活かしたオープンセット
- ②主役の声優はあの人?!
- ③仮面ライダー剣は後半から面白くなったという方に
- ④美しいスタイルとスーツ
- ⑤個性豊かな怪獣たち
- ⑥多彩な必殺技
- ⑦ラスボスが…◯◯?!
①オーストラリアの広大な自然を活かしたオープンセット
ウルトラマングレートといえばコレ。オーストラリアの広大な大地を使った自然光によるオープン撮影は、決して他の特撮作品では見ることのできない美しい映像。
昭和ウルトラマンとは一味違った巨大感溢れる重鈍な動きと、一発一発が重いグレートの攻撃はリアリティに満ちていて圧倒的な迫力があった。
30年経った現在でも全く色褪せない独自の映像世界が堪能できる。
そんな映像に説得力を持たせる壮大なオーケストラによる劇伴も魅力の一つ。耳にするだけであの勇姿が蘇るはず。
②主役の声優はあの人?!
本作はプロモーションに京本政樹を起用。彼自身が主人公の日本語吹き替えも担当し、主題歌まで歌っちゃうなど、相当な熱のこもりっぷりだ。京本氏の地が出た抑揚少なめの演技は、初代ハヤタを思わせるウルトラマンらしい不思議キャラの雰囲気を醸し出していて非常に好感が持てる。
更に、アーサー隊長には初代ムラマツキャップでお馴染み(ライダーファンにはおやっさんでお馴染み)小林昭二!そしてお調子者のチャーリー隊員にはなんと柳沢慎吾!ロイド副隊長にはベテランの山寺宏一がガチッと脇を固め、更に更に前期ナレーターにはなんと藤岡弘!京本政樹のこだわりが炸裂したかのようなユニークかつ安心の布陣。
③仮面ライダー剣は後半から面白くなったという方に
一番好きな平成ライダーは?と聞かれると悩んでしまうが、一番繰り返し見たライダーは?と問われると、迷わずこの作品を挙げられる。
特に後半からのハードな展開と、死にかけていた設定を活かした丁寧な伏線回収は評価が高く、その衝撃の最終回は多くのファンからの高評価を得ている。
そんな仮面ライダー剣の後半でメインライターを務めた會川昇氏が、若き日に脚本を担当したのがこのウルトラマングレートである。
宇宙からの侵略者との対峙を描きつつ、当時の世相を反映した環境問題が大きくクローズアップされた。本当の敵は人類なのか?等、初期ウルトラ作品にも見られた「葛藤」が感じられる硬派なストーリー展開が魅力。
映像は海外製のスケール豊かなものでありながら、ストーリーは元祖ウルトラシリーズらしい日本人的な要素も盛りだくさんのハイブリッド作品。もし「海外ドラマはちょっと…」と敬遠されているのであれば是非一度見てみてほしい。
④美しいスタイルとスーツ
とにかくウルトラマングレートは美しい。初代ウルトラマンを演じた古谷敏さんのような日本人離れした長身体型のアクターはそうそういるものではないが、グレートのアクターは外国人というのもあり、非常に足が長く美しい。
[・・通常版]X-PLUS エクスプラス 大怪獣シリーズ 【ウルトラマングレート】
円谷英二氏がご存命なら、さぞ喜ばれたであろう(初代アクターの古谷敏さんは円谷英二氏のご指名)。
マスクは非常に端正で整った顔立ちに安定の白目。
元々白目だったウルトラマンが黄色目に改ざんされる事態がタロウ以降顕著になり、
しかしグレートでは原点回帰の思いも込めてか、初代を思わせる美しい白目に戻った。それがオーストラリアの夜景に映える第3話は必見。
やっぱりウルトラマンは夜景でこそ映える。
スーツも従来のウェットスーツではなく繊維性のものに変更。皺やたるみもほとんど目立たずアクターの美しいボディラインを際立たせるものとなり、これは後のゼアスでも引き継がれた模様。
色も従来のシルバー部分が白っぽいカラーリングとなり、グレート独特の美しさを感じさせる仕上がりとなっている。
更にウルトラマンの声もこれまでと全く違った新しいものとなった。日本語吹き替え版ではお馴染み初代ウルトラマンの声が使われているため、気になる方は字幕版のご視聴を是非(こだわりの強い方はこのオリジナル版の声でないと見たくないんだとか)。
⑤個性豊かな怪獣たち
ウルトラマングレートは、前半の6話はウルトラマンエースのヤプールのように固定された親玉キャラ=ゴーデスがおり、その使役する敵と戦っていた。
ゴーデスは、細菌のように分散して様々な生物に憑依しては怪獣化、全生命を滅ぼさんとする悪魔のような存在だ(GOD+DEATH=まさに死神)。
1話に登場する双頭地獣ブローズは、両生類にゴーデス細胞がとりついて生まれた怪獣だが、その姿は斬新でありながらもどこかツインテールをも彷彿とさせるれっきとした円谷怪獣。
さらに3話にて登場したゲルカドンに至っては、なんと少年の心にゴーデス細胞が憑依。ウルトラマンも、怪獣と戦いながら少年の心とも向き合う。
こういったバラエティに富んだキャラクターだけでなく、マペット(操演人形)が併用された映像表現もグレート怪獣の見所。
5話登場のバランガスは、ウルトラマンとの絡みを除いた街破壊シーンの多くがマペットを使って撮影されており、着ぐるみではできない大きな爆発シーンなどで活躍している。他にも2話のギガザウルス歩行シーンは、着ぐるみでは表現しきれなかったであろう生き生きとした四足歩行が見ものだ。
そして満を持して復活したゴーデスが火山から登場するシーンは、全ウルトラシリーズ屈指の大迫力の超絶名場面。
⑥多彩な必殺技
そんな強力な怪獣たちと渡り合うグレートの基本スペックは、歴代ウルトラマンと比較してもズバ抜けて高く、また手数が少ない分、一撃一撃の攻撃力も凄まじい。
書籍等でもよく紹介されるバーニングプラズマは、実は1話でしか披露されていない。
実際最も多くの敵を葬ったのが、敵の攻撃を何倍にも増幅して打ち返すマグナムシュート。
お馴染みの、「カラータイマーが鳴ってピンチに追いやられてからの逆転劇」を最も合理的に描いた結果生まれた技なのかもしれない。
そして(全ヒーローの必殺技中でも)最大のお気に入りはアロービーム。
矢を射つようなポージングから、拳より強力な光弾を放つ必殺技。アクターが空手有段者ということもあってか、グレートと言えば指先までまっすぐ伸びた構えや技のキレも鋭く一つ一つの所作が非常に美しいことで有名だが、その極致とも言える技がアロービーム。
美しく滑らかな構えから、力強く突き出される正拳突きまでの一連の動きはもはや生きた芸術。
他にもグレートスライサー(光の剣を出した最初のウルトラ戦士?)など魅力的な技多数。是非全話その目で見届けてほしい。
⑦ラスボスが…◯◯?!
最終決戦に登場する二大怪獣の名は、コダラーとシラリー。古代史に登場する百済と新羅が元々名前の由来だったというのはファンの間では有名な話。
この二体のデザインも秀逸かつ強大で、まさに地球最大の危機を感じさせられるのだが…本当の敵はまた別に存在していた…。
少しでも興味を持たれた方、是非ご視聴を。
或いはグレートを見て育ったというあなたも、映像と音楽に触れれば、一瞬であの頃に戻れるはず。
あの、新しいヒーローに胸躍らせたあの頃に。