ADAMOMANのこだわりブログ

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【アイアンマン歴代全スーツ解説】⑥マーク46〜49【レスキュー、ハルクバスターマーク2 etc】

今回は、「シビル・ウォー」でおなじみマーク46から47、ハルクバスターマーク2やレスキュースーツをご紹介。 


映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』日本版TVスポット4

◆マーク46

ムービー・マスターピースDIECAST シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ アイアンマン・マーク46 1/6スケール 合金製 塗装済み可動フィギュア

ムービー・マスターピースDIECAST アイアンマン・マーク46 

続く「シビル・ウォー」に登場したのは、更なる進化を重ねた新スーツだった。

設定画と比較しても、マーク45よりリアルな頭身バランスで登場。それは、マーク46が後述のヘルメット収納機構を備えたからかもしれない(CG映像とトニーの頭部との連続性にリアリティを持たせるためか)。

マーク45同様の流線型のボディラインを持ちながら、全身至る所に超小型リアクターを増設したのはこのマーク46から。各部の出力を高めると同時に、胸部リアクターのスペアの役割も果たしている。リアクターウィンドウは台形。

基本装備は過去のスーツと大差ないが、ヘリに向かうスティーブを牽制したEMP装置の射出、拘束具の発射など非戦闘用装備が充実(シビルウォー仕様に調整したと考えられる)。

尚、アントマンに侵入された際のスーツ消火機能をまるで「マーク46特有の機能」のように紹介するサイトも多いが、マーク7以前から実装されていたと見るべき(着たまま火だるまになるのが一番怖い)。

ここではむしろ、「体内に超小型の生物が侵入してスーツを破壊する」というあのトニーですら46体ものスーツ開発を経ても想定し得なかった存在がアントマンであることが重要。それだけアントマン(ピム粒子)の存在は、MCUでは極秘とされてきた「想定外」なのだ。

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 トニー専用ヘリ内部にはスーツ装着システムを備え、人差し指の操作一つで瞬時に装着。一瞬ながら新規装着シーンが見られたのはファンサービスが利いていて嬉しいところ。アイアンマンらしい「ガチャガチャ感」も久しぶりに楽しめる。

赤外線感知システム等も完備。しかし、背後に忍び寄るブラックパンサーは感知できず。ワカンダの技術が一歩上を行っていることが感じられた。

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ムービー・マスターピースDIECAST アイアンマン・マーク46

 相手の攻撃パターンを解析し反撃も可能。体一つで戦うキャプテンに対し、ハイテク装備で戦うアイアンマンとの対比が効いた印象的なシーン。この展開は原作の「シビル・ウォー」にもほぼそのまま登場する。

アイアンマン:シビル・ウォー (MARVEL)

アイアンマン:シビル・ウォー (MARVEL)

 

 これも推測だが、1対1の格闘で押されまくったキリアン戦での反省を受けて、マーク43辺りからは実装されていた機能と見るべきではないだろうか?格闘戦ではその道のスペシャリストに敵わないアイアンマン。しかしそこをAIと融合した動きで突破するというのは非常にアイアンマンらしくて好きな展開だ。

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ムービー・マスターピースDIECAST アイアンマン・マーク46

ヘルメット完全収納もマーク46の特徴。ガチの戦闘というよりあくまで「交渉」というスタンスゆえの仕様だろうか。お馴染みの「顔パカ」がないのはちと残念(機能としては備わっている?)。また、最終決戦ではマスク丸ごと引き剥がすように破壊されたところを見るに、ここが一番機構としても脆そう=弱点。

www.cinematoday.jp

しかし頭部がむき出しなだけに、ここぞという場面でトニーの表情や感情がそのまま伝わってくるという意味では本作に向いていたのだと思う。相棒・ローディの喪失と、両親の死の真相、キャプテンの嘘…トニーの心を抉る出来事が続くだけに、悲しくも印象的なスーツとなっている。

ベルリン戦ではワンダが落とした大量の乗用車の下敷きとなり、トニーも全身打撲の重傷を負う。ただの自由落下ではなくワンダの念力が加えられていたとは言え、過去のスーツよりも強度がどうも弱そうに見えてしまう。

最終決戦でも各部リパルサーをあっさり破壊されたり(全てヴィブラニウムシールドによる攻撃だが)と、結構脆い描写が多い

これは「アイアンマン3」がそうであったように、敵や展開に合わせてアイアンマンの強度は結構都合良く変わってしまう=アイアンマンの扱いの難しさを物語っているのかもしれない。

或いは、ワンダというMCU最強の魔女も登場し、キャプテンアメリカも我々が想像する以上に遥かに強くなっており、更にはトリッキーなアントマンやブラックパンサーも登場し…今やアイアンマンが最強だった頃のMCUではなくなってしまった、ということなのだろう。

ちなみに↑のようなコンセプトアート版が発売されており、お察しの通りカラーリングがマーク85そっくり。原作コミックスのようなカラーデザインでの登場は、両作品で監督を務めたルッソ兄弟の悲願だったのかもしれない。

 

◆マーク47

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ムービー・マスターピース DIECAST 1/6スケールフィギュア アイアンマン・マーク47

「スパイダーマン ホームカミング」に登場した新スーツ。個人的には非常に好きなデザインで、マーク46のカラバリとは言えこうも印象が変わるのかと目にも面白い。

マーク15(スニーキー)やマーク41(ボーンズ)でもあったように、デザイン画になるまでは至らずとも、このレッド×シルバーのカラーリング案は温められてきたアイデアだったのかもしれない。マーク5やマーク33同様、やっぱりアイアンマンはシルバーとの相性も良い。

尚、「アルティメットアイアンマン」というタイトルで赤銀赤のアイアンマンがコミックスにも登場、こちらのリファインだと考えられている。

Ultimate Iron Man - Volume 1

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劇中、戦闘シーンはなかったものの、スムーズなスーツの着脱シーンや、Wi-Fiによる遠隔操縦、船の修繕に使ったワイヤー射出と溶接ビーム等、改めてアイアンマンスーツの汎用性の高さを見せつけてくれた。中が空っぽとは言え、顔パカがあったのも嬉しい。

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ムービー・マスターピース DIECAST 1/6スケール アイアンマン・マーク47

ちなみに予告編にも登場した、スパイダーマンと共にビルの谷間を飛ぶシーンは例によって嘘予告。本編には全く登場しないのでご注意を。


新スパイダーマン、アイアンマンと共闘!『スパイダーマン:ホームカミング』予告編

ちなみに私の予想では、このマーク47と、後述のマーク48、49、即ちハルクバスターマーク2とレスキューは、ほぼ立て続けに、シビル・ウォーの直後一気に開発されたものと見ている。なぜなら、この3つのスーツに革新的な機能の進化が見られないからだ(マーク50との断絶が大きい)。

ちなみにこの3つの開発の次に着手したのが、アイアンスパイダーだったのだろう。ホームカミングのラスト、しっかり完成品が登場している。

 

◆マーク48(ハルクバスターマーク2)

【パワー・ポーズ】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』1/6スケール限定可動フィギュア ハルクバスター マーク2

【パワー・ポーズ】1/6スケール限定可動フィギュア ハルクバスター マーク2

後述するレスキュー(ペッパーのスーツ)のナンバリングが49だと判明したことでやっと48と確定したのがこのハルクバスターマーク2。マーク1と比べこちらも最近のアイアンマンスーツ同様の流線型のボディラインを持ち、出力も大幅にアップされている。

長時間に渡るナイトライダー群との戦闘でもスタミナ切れを起こさず、見事カルオブジディアンを葬り去る大活躍

尚、スーツがどこに保管されていたのかは不明。AoUの最後でハルクは宇宙へ旅立ったためトニーとの共同開発も不可能だったはずだが、肝心の起動コード(パスワード)はマーク1と同じだった、なんて展開も想像できる。

或いはトニーの側にいた人間として、最もその辺りに詳しそうなのはローディ。アベンジャーズ本部で密かに秘蔵されていたものを、変身できなくなったブルースのために彼が解放してやったのかもしれない。

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【パワー・ポーズ】1/6スケール限定可動フィギュア ハルクバスター マーク2

いずれにせよ、ヴェロニカ(マーク1)のように衛星軌道上を既に飛行していたというより、アベンジャーズ本部内に保管されていたように思われる。

その根拠の一つとして挙げられるのが、本機初登場の舞台となったのがワカンダであったということだ。劇中の通り、ワカンダ上空にはドーム状のシールドが張り巡らされており、大気圏外からの侵入もいち早くキャッチしている。

そんなワカンダにわざわざ投下するのではなく、彼らを乗せたクィンジェットにハルクバスターマーク2も搭載されていたと見る方が自然ではないだろうか。

そもそも、ハルクが行方不明となった状況下において、そんな大金をかけて大気圏外にハルクバスターをスタンバイさせておく必要がないという決定的な根拠もある。

しかしそう考えると今度は、じゃあなぜマーク2を開発したのか?という疑問にぶち当たる。

それはやはり、当時のトニーの状況から考えても、ハルクを死に物狂いで探していたからとしか考えられない。「シビル・ウォー」にてチームメイトの大半を失い、地球外の脅威から人類を守れる者が少なくなった今、アベンジャーズ最強の実力を誇るハルクが改めて必要となったに違いない。

ハルクをどう制御するかの問題は、新たなハルクバスターでなんとかするからとにかくチームに帰ってきてくれ。

そんなトニーの心の叫びが聞こえて来るようだ。

ちなみにこのハルクバスターマーク2、予告編でその登場が確定した段階から、世界中のファンがその装着者を予想


映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』予告編

ハルクバスターの癖にハルクみたいな動きをしている。中にいるのはトニーじゃないのでは?」と、鋭いファンはいち早く勘繰っていた。更に、事前に発売されたハルクバスターマーク2のおもちゃの一部が、内部からハルクが飛び出す仕様となっているという情報もリークされ、劇中でも同様の展開を多くの観客が期待していた。

実際、当初はその予定があったようだが、映画全体の展開を考えて没になってしまったらしい。

 

◆マーク49(レスキュー)

【ムービー・マスターピース DIECAST】『アベンジャーズ/エンドゲーム』1/6スケールフィギュア レスキュー

【ムービー・マスターピース DIECAST】1/6スケールフィギュア レスキュー

ウルトロン計画が挫折。代わって頼みの綱であったはずのアベンジャーズも解散。地球を守るため、来るべき決戦の日に向けて1人苦悩を続けたトニーが真っ先に守りたかったもの、それは当然愛するペッパーの存在だったはずだ。

そう考えるとむしろ、彼女が自分の身を守るためのスーツを持っていないことの方が不自然。トニーはずっと彼女の護身用スーツの開発案を温めてきたに違いない

ハルクバスターの2号機を作ったが結局ハルクも戻らない。誰も頼ることができない状況下で、いよいよペッパー専用スーツを完成させる。

ところでこのスーツ、ナンバリングの割にテクノロジー自体はおそらくマーク46辺りに近いレベルのものなのではないかと思われる。媒体によっては「ナノテクスーツ」と記載されているが、劇中そのことが確認できる描写がなく、ヘルメット完全収納機構や、マーク46以降で全身に配置されるようになった小型リアクターは確認できることとそのナンバリングから考えても、最も性能として近そうなのはマーク46or47。

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【ムービー・マスターピース DIECAST】1/6スケールフィギュア レスキュー

レスキューと言えば印象的なのがドローン攻撃。特殊な性能にも見えるが、マーク42以降の自動キャッチ型の技術を使えばおそらく実現可能。女性装着者を想定して攻撃力をアップさせるための追加装備だったのだろう。

それでいて、複数のパーツがリパルサーレイを増幅・強化する仕組み自体はマーク50やマーク85が見せたナノテク兵器群にそっくり。この手の武装のアイデアはレスキュー開発時に出来上がっていたもののようだ。

「シビル・ウォー」前後で一度は離れた2人。しかしまたトニーの元へと舞い戻ってくれた彼女が、一層大切な存在となったに違いない。

ちなみに、原作ではアイアンマンと同じレッドだったレスキューが、MCUではブルーだった理由として、ファンの間ではこんな説が囁かれている。

ペッパーには青いドレスが似合うから」というものだ。

アイアンマン (吹替版)

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 1作目「アイアンマン」で、トニーがプレゼントしたドレスを着たペッパーのシーンを覚えているだろうか?その美しさに、トニーも思わず目を奪われ、言葉を失っていた。そのときの思い出が、レスキューのブルーには込められているのかもしれない。

しかし、ペッパー自身はレスキュースーツを拒み続けていた模様。あくまでも平穏な日常を求めていたのだろうか。

そんな彼女が最終決戦でレスキューを装着するに至った経緯はこれまた不明だが、消された半分の生命のため、再び立ち上がったトニーの力になりたい、そう思ったのかもしれない。ペッパーを守るために開発されたはずのレスキューは、最後の最後、トニーを救うために運用されたのだ。

それにしても、バッチリ床バンも決めての大活躍。ペッパーの格闘センスの高さは「アイアンマン3」でも既にお墨付き。彼女の存在もまた、実はアベンジャーズの秘蔵っ子、秘密兵器だったと言えるかもしれない。

ハルクバスターとレスキュー、そしてナンバリングには入らないがアイアンスパイダー、いずれもアベンジャーズを立て直すためのスーツ開発である。

しかし、開発した段階では相変わらずハルクは行方不明、おそらくペッパーにもスーツを拒まれ、ピーターにまでチーム入りを断られてしまった。

新メンバーでのチーム結成を目指してスーツ開発を始めたトニーだったが、早々に挫折してしまったのだろう。そしてここから、おそらくかなりの時間をかけて新たなスーツの開発に乗り出したはずだ。

時間がかかったであろうことは言うまでもない。それは、新技術・ナノテク搭載の最強スーツだったからだ。

 

次回はマーク50を単独で扱いたい。

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