振り返れば、年少時より愛好してきたテレビ番組のキャラクターによって自分の性癖が運命付けられていたような気がする。そんな代表的な7人をご紹介したい。
- ◆ククリ(魔法陣グルグル)
- ◆アラレちゃん(Dr.スランプアラレちゃん)
- ◆ねこ娘(ゲゲゲの鬼太郎)
- ◆らんま(らんま1/2)
- ◆野乃七海(忍風戦隊ハリケンジャー)
- ◆天美あきら(仮面ライダー響鬼)
- 〜握手会の思い出〜
◆ククリ(魔法陣グルグル)
ねんどろいど 魔法陣グルグル ククリ ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
私の全ては彼女によって決められてしまった。
「魔法陣グルグル」は、幼少期にアニメをよく見ていた。とにかくククリが可愛らしくて大好きだった。小柄で、くりっとした目と天真爛漫なキャラクター。何より、主人公のニケとの、つかず離れずの絶妙な距離感にいつもやきもきさせられていた。萌えていた。
おそらく厳密には、ククリも好きなのだが、「とっとと付き合えよ!」と言いたくなってしまうニケとのやり取りを見ているのが好きだったのかもしれない。
◆アラレちゃん(Dr.スランプアラレちゃん)
ねんどろいど Dr.スランプ アラレちゃん 則巻アラレ ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
アラレちゃんにも不思議なかわいらしさがあった。基本的にバカだし、やることなすこと非常識でぶっ飛んでるんだが、最強に強くて乱暴で、でもものすごくポップでかわいい!
鳥山明先生描くキャラクターは、服装からなにまでとにかくオシャレポップ。それでいて、女の子はとことん幼くあどけなさが印象的。
「ほよ」とくちびるを尖らせたリアクションや、起伏の少ない手足の丸っこさ、微妙に焦点の定まらない表情…。そんな愛らしさと、スーパーロボットという真逆の属性が織りなす強烈なギャップ。
そして、そんな彼女に惚れる少年が現れた。
オボッチャマンである。彼の純粋な恋心は、とことんへし折られ続ける。アラレちゃんには全く届かない。けれども彼は諦めない。
そんな彼に、とてつもなく感情移入してしまった。その結果、私までアラレちゃんが好きになっていた。
ククリの例と同様、ちっちゃい2人がつかず離れずでいちゃいちゃしてるのを見ているのがたまらなく幸せだったように思う。
◆ねこ娘(ゲゲゲの鬼太郎)
ゲゲゲの鬼太郎 CHARACTER BOOK ねこ娘大全 (文春e-Books)
厳密には98年版第4期の鬼太郎世代なので、4期のねこ娘が自分は好きだ。
これまたやはり、鬼太郎とのつかず離れずの関係性がたまらない。
明らかに鬼太郎を意識しているのに、いざ距離を縮められると照れてしまうねこ娘。なんとも鈍くてパッとしない鬼太郎。この2人の噛み合わなさにまたやきもきさせられてそれが楽しい。
ニケとククリ、アラレちゃんとオボッチャマンと違うのは、女の子であるねこ娘の方がちょっと大人びていること。色恋沙汰にうとい男子を引っ張る背伸びしたお姉さんの感じがまた良い。
その癖、本当は照れ屋で自分から積極的に行く勇気も実はなく、結果的に冷たい態度をとってしまう。いわゆる「ツンデレ」キャラの走りで、そんな彼女のキャラクターも私は大好きだった。
どうもこういうつかず離れずの男女関係にやきもきするのが好きな人はいつの時代もいるようで、「キタネコ」というジャンルが成立しつつあるようだ。
総じて「ちび男女萌え」とでもしておこう。
◆らんま(らんま1/2)
S.H.フィギュアーツ らんま1/2 早乙女らんま 約130mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
勿論中身は男だとわかっているんだが、キャラデザインがダントツでかわいいのはらんま(女)だと思っている。高橋留美子先生は本当に女性をかわいらしく描くのが業界でもピカイチにお上手で、肩周りの細さ、艶かしい角度のくびれ、丸みのある顔と腰回り。
時代性もあってか、らんまではよく乳首まで丸出しになるエピソードが多く、夕方の再放送を見ていた小学生の少年には深夜番組の比にならないほどの刺激となっていた。
中身が男なもんだから、胸が丸出しになっても隠す気がないらんま。そういう「大ざっぱエロ」という新ジャンルが私に刷り込まれたように思う。
録画してたVHS、何回も巻き戻して見てたな…。
◆細川美樹(地獄先生ぬ〜べ〜)
こんな小5がいるか!
噂話大好きなDカップ巨乳美少女細川美樹。「地獄先生ぬ〜べ〜」には、彼女に限らず多くの美少女が登場するが、個人的には彼女がダントツでかわいいと思っている。
彼女の天真爛漫なキャラクターと、豊満なバストと、それを自ら売りにしちゃう垢抜けた性格がとにかく魅力的だった。
しかし、「巨乳」という王道だが魅力ある世界を初めて私に指南してくれたのは彼女だったように思う。
◆野乃七海(忍風戦隊ハリケンジャー)
変身前の彼女はとにかく可愛かった。笑顔がまぶしくて、どこか間抜けで、それでいていざというときに見せるキリッとした表情。
野乃七海というキャラクターも魅力的だったが、それに輪をかけて色っぽかったのが、ハリケンブルーの衣装である。
忍者モチーフゆえの、鎖かたびらを思わせる腕脚のスーツ。そして戦隊モノでは珍しく、スカートの中がきちっと作り込まれていたこともまた特徴的だった。
通常女性戦隊のスーツは、下半身のスーツの上に、同じ色生地のスカートっぽい布がはっつけてあるだけのケースが多い(要は結局スパッツ)。
しかし、ハリケンブルーの場合、グレーの鎖かたびら状のタイツの上に、青いパンツっぽい生地があって、その上にブルーのショートスカートがついており、これが戦闘中幾度かパンチラしたかのような錯覚を起こさせる。
もうこの際アクターが実はおっさんだったとか云々は置いておいて、興奮させられてしまったのだ。
野乃七海演じた長澤奈央さんは、その後もその美ボディを活かしたキャラクターを演じ、ニチアサにも何度かカムバック。
世代としては彼女がより色っぽく大人の魅力を湛えて帰ってくるのが嬉しかった。そして更にはママになってからの戦隊カムバック。
いつまでもお美しい。
◆天美あきら(仮面ライダー響鬼)
彼女が本格的に「響鬼」で活躍した第七〜八話の衝撃は忘れられない。
少年のような第一印象。しかしキャップ帽の下には純真無垢な美少女の姿があった。
天美あきら演じた秋山奈々(現在秋山依里)氏の独特なオーラと魅力。響鬼の高寺Pも一目で彼女を気に入り、彼女に合わせた役として天美あきらを創作した、というのは有名な話だ。
声がちょっと低いのにも強烈なインパクトがあった。そしてきつめの口調で叫ぶ、
「ヒビキさん、お友達監督不行届ですよ!」
は名言中の名言。
しかし個人的には、ズボンの中に入ってきたニビイロヘビに驚く明日夢を冷たい視線で見下していた顔がたまらない。
しかも回を重ねるごとにデレていくし、どんどん美人になっていく。
更に水着になるともっと凄かった…。
私がこれまで塗り重ねてきた性癖:童顔、小柄、ツンデレ、巨乳、そしてまぶしい笑顔…それら全てをその身ひとつに体現したのが天美あきらという存在だった。
現在は「秋山依里」さんに芸名を改名。レイヤーさんとしても活躍中。
〜握手会の思い出〜
学生時代、カレンダーか何かの発売記念イベントで握手会に参加したのは良き思い出。何せ、芸能人の握手会なんて後にも先にもこれしか行ったことがなかったからだ。
前後に並ぶおっさんたちは皆何やら大きめの紙袋を持参しており、思い思いの差し入れを用意しているようだった。なんだか妙に肩身が狭くなったような気がした。彼女に握手「してもらうこと」しか考えていない自分が少し恥ずかしくなったのだ。
しかし次の瞬間には反転して、「金やモノで愛情を表現するなんてダサいぜ」と貧乏学生の反骨精神を剥き出しにして、彼らを蔑んだ目で見下すようになっていた。
その後は手ぶらで来ている自分を正当化するためにも握手の瞬間のイメトレを繰り返していた。おこがましいかもしれないが、握手をしてもらう立場でありながら、
「俺の方こそ、彼女を励ましてやろう!彼女を喜ばせられる男として振る舞おう!」
なんだか意味不明な決意表明を胸の内で固めている内に、少しずつ列は彼女に近づいて行った。
確か3つ買えばチェキだったのだが、どうやら前の前の前の人も前の前の人も前の人もみんな3つ買っている。財布と相談する。うん。無理だった。
前の人が奥に進んでから、白い囲いの中に彼女の姿が見えた。
小さい!顔も小さい!白い!きれい!かわいい!
イメトレも何もかも吹き飛んで頭の中が真っ白になった。
「...響鬼のときから、ずっと好きでした!」
無意識に、そう口走っていた。これは私の人生における「告白」の一つにカウントして良いのだろうか。あとのことはもう何も覚えていない。
ただはっきり覚えているのは彼女の小さな小さな手。多分ファミチキより小さかったように思う。
とにかく、それ以上握ったらつぶれてしまうような気がして、そっと優しく触れるくらいにしか持つ事ができなかった小さな手。
握手なんてもんじゃなかった。生まれたてのハムスターの赤ちゃんを、起こさないようにそっと手にとって、その後静かにケージに返してあげるような、そんな静謐な時間。
あの日のサイン入りカレンダーは、一つしか買えなかったけど、2010年のまま、今もずっと大切にしまってある。