SSSS.DYNAZENON ORIGINAL SOUNDTRACK(特典なし)
◆11話で深まった現実世界説
私はこれまでの感想と考察で、ダイナゼノンの世界もまたコンピューターワールドに違いないと考えてきたのだが、ここにきてそれが揺らぎ始めている。
①ミイラ事件のネット記事
原作「グリッドマン」の第18話に登場したミイラ復活事件のニュースがネット上にも残っていることが本編でも明かされた。
ガウマさんの正体がこのミイラであることはこれで確定したものの、それを今ここで改めて説明する必要があったのだろうか?
5000年前から蘇った怪獣使い、愛する姫との約束、包帯を巻いたような衣装…既に明かされている設定の数々から考えれば、もう十分確定している事柄であり、それをここでわざわざ説明するようにして描写したのは、また別の目的があったと考えるべきかもしれない。
ここは、93年「グリッドマン」が活躍した現実世界の未来の姿であることの証明、だったのかもしれないのだ。
②ガウマに残るゆかの記憶
第28話 神かくし! ゆかが消えた!! 盗視怪獣アイガンガー登場
更にはガウマの口から原作「グリッドマン」18話でのゆかとのやり取りの記憶が披歴された。
オリジナル音源がそのまま使用されたこともあり、多くのファンを驚かせたが、そうなると尚のこと本作の世界は93年のミイラ事件の延長線上の出来事=現実世界での出来事のような気がしてくる。
③暦の履歴書
同話に登場する暦の履歴書には、原作世界と全く同じ桜ヶ丘という名前が登場する。
学歴にある「平成桜ヶ丘学院大学マルチメディア学部グローバルコミュニケーション学科」という記述がそれに当たる。
もしかすると原作世界のすぐ隣町で彼らは戦っていたのだろうか?!
④ゆりマート、mapps、桜ヶ丘の景色
蓬のバイト先のスーパー、ゆりマートと言えば原作にも何度か登場したスーパー。
※先日YouTubeで毎週更新されているグリッドマンの第32話視聴時に気付きました。
更に落書き怪獣が暴れた第8話に一瞬登場するバス停には「日本考古学研究所行」と書かれており、これはガウマミイラを保管していた研究所の名前。
加えて同8話で夢芽が閉じ込められたmappsという大型ショッピングモール。元はこちらも原作36話登場のマップス桜ヶ丘。
※この話妙に印象に残ってたから調べたらビンゴでした。
オマージュ程度にとらえていた数々の仕掛けが、実は伏線だった可能性が浮上してくるのだ。
⑤ホンモノの翔直人?!
前作にはカメオ出演(ゲスト出演)という形で原作の主人公翔直人を演じた小尾昌也氏が登場。ジャンクショップで買い物をする姿が見られた。
本作にも彼はプールの監視員という形で再登場、ファンを喜ばせた。
しかし仮に2人が同一人物だとすれば、ほとんど見た目や年齢が変わっていないのはおかしい。あのアンチくんだってあれだけ成長している訳である。
しかし前作がCWと確定している以上、本作は現実世界だと考えればこの矛盾は解消される。
ま、これはオマケ演出なので真面目に考えるべきではないかもしれないが。
⑥修復されない街
また、11話では更に、第1話で戦場となった街が未だに復興しきっていない様子が描かれた。
前作「SSSS_GRIDMAN」は舞台が新条アカネの管理するコンピュータワールドだったため、怪獣によって住人たちの記憶もろとも修復・改竄されるということが常態化していたが、そういったことは本作では一度も発生していない。
更に前作との違いとして本作品世界には宇宙空間にも繋がる大気圏・成層圏までが描かれており、完全な箱庭とされていた前作のCWとの違いは強調されていた。
⑦怪獣を生み出すのは人間の情動?
前作がCWを舞台にしていたとは言え怪獣を生み出すための情動は、ちゃんと人間として実在する新条アカネが与えていたと考えられる。
その他のキャラクターたちはみな、レプリコンポイドという電脳世界の住人であり、厳密には人間ではない。
ダイナゼノンの世界もCWだとすれば、蓬たちも含めその多くもレプリコンポイドということになるが、人間意外の情動で、果たして怪獣は成長するのだろうか?
グリッドマンの世界において怪獣を育ててきたのは、あくまでも「人間」の情動だったはずだ。
⑧「魔王の逆襲」のオマージュなら?
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原作グリッドマン放送終了後、幼年誌上でスチル連載された「電光超人グリッドマン 魔王の逆襲」というものがあり、なんとあの藤堂武史が正義に目覚めてグリッドマンシグマという新ヒーローに変身する物語となっている。
原作では実現できなかったサンダーグリッドマンとキンググリッドマンが立ち並ぶ姿が楽しめる他、現実世界での戦いへとストーリーが拡大。
グリッドマンではなく、グリッドナイトがダイナゼノンで強化(=キンググリッドマンの相似形)する展開からも、本作ダイナゼノンもまた現実世界の物語ではないかと予想されてきたのだ。
◆やっぱりコンピュータワールド?
しかしこれらを否定することができる可能性はまだ残されている。ここからは上記の反証となる事象をいくつか挙げていきたい。
・それでもCWだとすれば…
とは言え、やっぱりCWだったとすれば上の①〜⑤のほとんどが、「そういう風に設定されているCWだから」の一言で片付けられてしまう。
つまり、前作でアカネが作った世界と同じか、或いはそれと同内容のソフトで、更に宇宙空間まで仕様を拡張した電脳世界が本作の舞台であると。
・グリッドナイトの登場
GIGAN-TECHS SSSS.DYNAZENON グリッドナイト ノンスケール ABS&POM製 塗装済み可動フィギュア
何より、グリッドナイトが登場した時点でCW説はかなり濃厚となっていた。
それに「怪獣がいる世界への干渉」云々の話はいかにもこの世界がCWであることを前提にした話っぽい。
勿論原作2話や25話のように、怪獣がCWから現実世界へと直接干渉することが可能なのも重々承知だが、現実世界の出来事であるとするには決定的な証拠がまだ出揃っていない状況であるのは確かだ。
・不自然な街
これも以前から指摘していることだが、怪獣との戦闘シーンにおいて破壊されるビルが崩れるというより転がっているように見えるシーンが多々見られる。
勿論その結果として稲本さんの夫のようにちゃんと実害が出ているのは確かだが、やや不自然にも見える。
また、本作がダイナゼノンの搭乗員たるキャラクターたちの個人的な感情の掘り下げに特化している作風だからか、世論の変化や国家体制に関わる描写は驚くほど少ない。強いて言えばSNSくらいしかない。
これだけ怪獣災害が現実世界で度重なって起こればそろそろ軍隊が登場してもおかしくないのだが、警察が怪獣を包囲していた3話にしても、なんだかユルイ。
・実写で登場した現実世界のアカネ
前作の最終回、CWから目を覚ましたアカネの姿は、驚くべきことに実写映像で描かれた。この唐突な映像表現多くの視聴者を驚かせたが、ここから考えられる私個人のこれまでの解釈はこうだ。
CWの出来事はアニメで、現実世界の出来事は実写で。
そんな棲み分けをしているのではないか?だから、そもそもアニメで描写されているダイナゼノンの世界はCWの出来事に決まっているのだ。
果たして12話、最終回で種明かしとなるか?
上述したことは全て仮説に過ぎない。ここまで書いても正直私もどっちかよくわからない(笑)。ただ、最終話直前11話での意味深な演出の数々から、現実世界説が急に濃厚となったのは確かだ。
個人的には、原作グリッドマンに実写で登場したキャラクター(ゆか?)が本作にも登場して…実はやっぱり現実世界でしたーなんて展開も期待しているが果たして?!
金夜を待て!