今回は、そもそもギアチェンジ、シフトチェンジって何?って方向けの解説記事です。
前回ご紹介したレゴテクニック ヤマハMT-10SPに内蔵されているシフトチェンジ機構を使います。私自身、シフトチェンジの仕組みって、目に見て実感できるレベルまで落とし込めてなかったんですけどこのレゴを使ったらめちゃくちゃ手に取るようにその仕組みがわかるようになったので本当スッキリしました!
この感覚を他人にも共有したい!と思ったので記事にしてみます(インプットを即アウトプットして自分のものにするためでもあります)。
↓前回記事
何が起きているのか?
前回も紹介した通り、そのままでは内部構造がほぼ見えなくなっているので、中が見えやすいように少しだけバラします。
具体的には、前輪とフロントフォークを外し、ラジエーターを外し(開け)ます。
ここからエンジン(4つのピストン)下部と、ギアボックス(シフトチェンジ機構)をほぼ覗き見ることができます。それでも少し見えにくいですが、これ以上バラすのはちょっと面倒なのでここまでで。
とりあえず簡易な動画を作ってみたのでまずはコレをご参照ください。
タイヤを手で回しながら、シフトペダルを手で操作し、ギアを変えながら撮影しています。シフトペダルはこんなLビームです。
なぜギアを変えるのか?
そもそも、なぜギアを変えながら走るなんて面倒なことをする必要があるのでしょうか?
まず、ギア(歯車)を噛ませることの意味から考えてみましょう。
【モーター側(input)が大きいギアで、タイヤ側(output)が小さいギアの場合】
大きいギアに小さいギアを繋げると
小さいギアの方がモーターが回るスピードより圧倒的に速く回るのが想像できますか?コレを応用すれば、モーターのポテンシャルよりもずっと速いスピードで乗り物を動かすことができますよね?
なら、全ての乗り物はモーターを小さい歯車と噛み合わせておけば良いことになります、が、このギアの組み合わせには致命的な弱点があります。
トルク(簡単に言えば「パワー」)が弱くなってしまうんです。トルクが弱いと、走り出しの際のパワーが足りず、動くことすらできなくなります。
重い荷物を乗せた台車を想像してください。最初は思いっきり体重を乗せて押さないと動きませんよね?でも、車輪が回り出すと慣性の法則に従ってスムーズに動いてくれます。どんな乗り物も、一番最初に動き出す瞬間に最もパワー(トルク)が必要なのです。
そこで、1速と呼ばれるギアには、上記とは逆に大きなギアが用いられます。
こうすると、スピードは遅くなりますが反対にトルクを爆上げすることができます。これで一番重たい走りだしがスムーズになります。
もうお分かりでしょう。このように、大きいギアから、だんだん小さいギアへと変えていくことで、トルクを下げ、スピードを上げていくのがシフトチェンジの目的なのです。
最初に紹介した動画、つまり本レゴキット「MT-10SP」の内部構造に合わせて言えば、
①最初は一番大きい赤いギア(1速)
②次に少し大きい緑のギア(2速)
③少し小さめの赤いギア(3速)
という風にシフトチェンジしているということです。
ちなみにニュートラルというのはこんな感じかな?いくらモーターが回っても動力がどのギアにも伝わらない状態ですね。
...と、ここまで話せば今頃こう思ってるはずです。「じゃあオートマってどうなってんの?」と(笑)
毎回噛み合わせる歯車そのものを組み替えるマニュアル車と違って、AT車の場合は非常にシームレスにギアが変わっていきます。これもレゴで勉強するのが一番ですよ(笑)
もうコレを見てもらえば全て飲み込めたはずです。レゴってこういう機械構造学ぶのに最適な教材ですよね。
(了)