ADAMOMANのこだわりブログ

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ウルトラマンタロウはなぜ最強なのか?

ウルトラマンタロウ (HDリマスター版)

ウルトラの母の真の能力は、マルチバースを超えた全ての宇宙の可能性(未来)を覗き見ることでした。

 

前回、ウルトラマンの故郷の呼び名の表記揺れの問題から、光の国とウルトラの国が別物である可能性を指摘しました。

M78星雲とは「星が生まれる場所」であり、ウルトラマンとは星雲が生み出した「星のかけらの擬人化」であり、特定の星で親から生まれた一般的な生命体とは異なる存在でした。

また、「帰ってきた〜」以降使われるようになった「ウルトラの星」とは、地球から遠く離れた故郷、「M78星雲・光の国を懐かしんで見上げた夜空の星の瞬き」を指す郷愁の言葉であり、直接の惑星を指す言葉ではなかったと考えられます。

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しかし、結局のところ「タロウ」にて直接的な住空間としての「ウルトラの国」が描かれました。これはどういうことでしょう?

 

 

タロウという合成超人

Relax time ウルトラの母 フィギュア 全1種

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「ウルトラマンタロウ」の第一話、東光太郎を取り囲むウルトラ五兄弟に向かってウルトラの母が

「あなたたちはみなこうして生まれたのです」

と語っています。これはシリーズで最も象徴的な「マルチバース宣言」と言えるでしょう。だってタロウ以外のウルトラマンはこんな風に生まれてないんですから(笑)

ウルトラマンタロウとは、東光太郎という人間の肉体にウルトラの命を植えつけることで誕生した合成超人です。

私の解釈では、東光太郎と融合することでタロウというウルトラマンが誕生したため、帰マンやエースと違い、融合前には「タロウ」という個体は存在していなかったと考えています。

例えばウルトラマンはハヤタの肉体にウルトラマンの命を植えつけて生まれた訳ではなかったし、帰ってきたウルトラマンとエースも同様、人間とウルトラマンで命と肉体を共有こそすれ、人間と融合することで生まれたわけではありません。それに、セブンとゾフィーはそもそも人間と融合すらしていなかったはずです。

シリーズを通して見てきた私たちにはそのことがわかるはずですが、上記ウルトラの母のセリフはそれをあっさりと否定し、ウルトラ兄弟はみな、タロウと同じプロセスを辿って産まれたことになっているのです。

そしてこれは、タロウ誕生と同時に起こる「歴史改変」の未来を見通したウルトラの母の予言でもありました。

作中他のシーンでもウルトラの母には未来予知の能力があることが描かれています。

何はともあれ、前作「A」までのウルトラ五兄弟と、「タロウ」のウルトラ六兄弟は、全員まるきり別人であり、最初から人間と融合して作られた合成超人、ということになっています。

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「人間化」するウルトラマン

「タロウ」の第一話で不可解なのが、ウルトラの国と思しき空間でのタロウ誕生と同時に、地球で瀕死状態だった東光太郎が突如タロウに変身し、そのまま地球でアストロモンスとの戦闘を開始していることです。

この瞬間、タロウはウルトラの国から突如地球へワープしてきたように見えますが、実はタロウ誕生に伴うマルチバース=「タロウバース」(仮称)の誕生は、過去・現在・未来という時空をも超越した歴史改変であったということだと私は考えています。

ちょっとややこしいのですが、東光太郎がタロウになった瞬間、タロウというウルトラマンが過去において「ウルトラの父と母から生まれて育てられた」等々の、元々存在していなかったはずの物語が突如既成事実(歴史)となったのです。

人間とウルトラマンが融合したことによって、東光太郎個人の過去と、ウルトラマンの過去までもが融合してしまったようです。

その証拠に、東光太郎はウルトラの母に対してごく自然に「お母さん!」と呼びかけ、ウルトラの母の人間としての姿もまた、東光太郎の亡母と瓜二つでした。

結果、単に星が生まれる場所=星雲だったはずの「ウルトラの星」もまた、人間の歴史と融合したことで「ウルトラの国」になります。

タロウにはペットがいて、ウルトラの国には学校があり、父がいて母がいて、他のウルトラマンにも父がいて母がいて、誰と誰が実はいとこで、誰々は孤児で…etcウルトラマンたちの歴史もまた、大幅な改変に巻き込まれてしまいました。

 

「ウルトラ化」する地球

ウルトラマンたちが人間化するだけでなく、人間もまたウルトラマン化していきます。東光太郎の母親はダイレクトに「ウルトラの母だった」ことになっているのですから、劇中で全く触れられていないだけで、人類史にも大幅な改変が起こっていたはずです。

現に、他のシリーズと比べても「タロウ」に登場する人類のみずば抜けて戦闘力が高い。すぐに飛び上がって怪獣の肩にしがみついて生身で結構いい勝負するんです。これは、歴史改変に伴う「人類のウルトラマン化」です。

それだけではありません。タロウ誕生に伴う時空の歪みによって、「A」以後日本の上空に降り注いだヤプールの怨念は、過去・現在・未来全ての時間軸においてより強力な「宇宙大怪獣」を生み出してしまったものと思われます。

「タロウ」にのみ登場する「超獣より強い」と言われる「宇宙大怪獣」とは、時空を超えて太古より地球に棲みつき野性化した超獣だったのではないか?というのが私の仮説です。現に、「超獣より強い宇宙大怪獣」が登場するという触れ込みで始まったはずの本作ですが、実際に登場した怪獣の多くは「宇宙」どころか地球に大昔から住んでいたタイプが多く、しかしその姿や能力、何より戦闘力の高さは明らかに「超獣」然としていました。

従来の怪獣とは異なった、超獣のような奇妙奇天烈な個性を持ちつつ、地球の歴史にも語り継がれるような存在=超獣をも超えた「妖怪」にも近い怪物、それが「タロウ」期に頻出した怪獣たちでした。

何はともあれ、時空を超えたタロウバースの誕生は「ニワトリが先か卵が先か」、ウルトラの星だけでなく、地球の歴史全体をも改変するほどの大きなものだったようです。そしてその宇宙全体を巻き込んだマルチバース誕生の中心にいたのは、ウルトラの母と東光太郎ことウルトラマンタロウの2人の親子だったのです。

 

最強のウルトラマン

なぜ人間の肉体に直接ウルトラの命を融合させるようなことをしたのか?それはよくわかりませんが、間違いなく言えることは、最初から完全に地球環境に適応した地球防衛専任の最強のウルトラマンが誕生したということです。

過去、帰ってきたウルトラマンや、ウルトラマンエースでも、ウルトラマンと人間の融合は行われてきましたが、この方法には「融合してすぐにはウルトラ戦士としての能力を十全に発揮できない」という弱点がありました。

帰ってきたウルトラマンの場合は、セブンがウルトラブレスレット(特殊能力を引き出す装置兼命のスペア)を届けています。

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エースの場合は、特殊能力を司る存在として南夕子との合体変身が導入されました(ブレスレットの機能を最初から内包するため)が、ヤプールが送り込む強力な超獣相手には苦戦が続き、比較的序盤にて「ウルトラサイン」という強制アップデートが行われています。これ以後、超強力な切断技の多くを自在に扱えるようになりました。

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とはいえ、ウルトラ兄弟やウルトラの父までが総動員でかかっても戦死者が絶えない程に地球は苛烈な戦場となっていました。

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そこで、人間の肉体にウルトラの命を直接移植し、過去・現在・未来全ての時空において、「生まれたときからずっとウルトラマンだった人間」を製造することにしたのでしょう。それがウルトラマンタロウでした。

だからタロウは最初からポテンシャルの全てを発揮した最強のウルトラマンでした。地球の重力にも完全に適応し、自在に宙を舞うスワローキックを見せ、圧倒的な破壊力を誇るストリウム光線を標準装備。

特に「地球に適応している」という点が重要で、だからこそ地球でタロウと戦うこととなったタイラントは、タロウにだけは勝てなかったのでしょう。

 

収縮する宇宙

人間・東光太郎とウルトラの命が融合したことでウルトラマンタロウが誕生し、地球は「ウルトラ化」を強め、ウルトラの星は「地球化」してウルトラの国になりました。

そしてこれら二つは非常に近しい存在になり、互いに引き寄せ合うこととなったのでしょう。結果、地球とウルトラの星(ウルトラの国)は物理的にも近づいていったのではないかと思われます。

もちろん、設定上は劇中でも語られたように「300万光年」離れているようですが、宇宙そのものが地球とM78星雲を近づけるようにして一気に収縮し始めたとすれば、「タロウ」期にタロウ以外のウルトラ戦士が頻繁に地球にやってきていたことにも説明がつきます。

しかし、宇宙全体が収縮することで地球に近づいたのはウルトラの星だけではありませんでした。M78星雲の反転した存在とも言える「暗黒星雲」、または「暗黒宇宙」もまた、地球に急接近し、闇の住人たちを地球に誘き寄せることとなりました。

 

次回は、東光太郎がウルトラバッジを捨てたことで起きた変化と、暗黒宇宙から飛来したマグマ星人一派と「ウルトラ兄弟の解散」について考察していきます。

(了)

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