【ムービー・マスターピース】『THE BATMAN-ザ・バットマン-』1/6スケールフィギュア バットマン | トイサピエンス
今回も初見段階での感想について書きたい。前回も断った通り、正直あんまりあらすじ覚えてないので雑多な印象だけで書いてる感じです。あと、なるべく他所様の感想や考察は読まずに書いています。読んじゃうとどうしても内容がそっちに引っ張られるので。
最凶のバットモービル
BANDAI SPIRITS 1/35 SCALE バットモービル (ザ・バットマンVer.) 色分け済みプラモデル
本作のベストシーンを選ぶなら個人的にはバットモービル登場シーンを推したい。あのシーンは大金を積んででも劇場で観るべきものだと思う。
おそらくバットマン映画史上最もシンプルなデザインなのに、最も凶暴なマシンだった。
よくよく考えてみるとこのバットモービル、えげつない見た目のエンジン剥き出しで爆走する以外は特に特殊装備がついてない。
劇中登場しなかっただけ(or私が覚えてないだけ)かもしれないが、特段変わった機能はなかったと思う(防弾性能は優秀)。
ただ、ひたすらに青い炎を噴き出しながら無言で突っ込んでくるのだ。
しかしながらあのエンジン音、凄まじかった...。あの悲鳴のような爆音。想像だにしていなかったあの音は、まさに相手を恐怖に陥れるための究極の兵器の証。一度でもあんな車に追い回されたら、多分半年くらいは引きこもりになると思う。
グライダー
【ムービー・マスターピース】『THE BATMAN-ザ・バットマン-』1/6スケールフィギュア バットマン | トイサピエンス
そしてもう一つ、とんでもなくびっくりしたのがグライダーのシーン。まさかあんなリアルなグライダースーツ着てくるとは夢にも思わなかった。グライドするときはマント使うって先入観にとらわれていた自分を恥じた。
リアルさを突き詰めた「ダークナイトシリーズ」でさえ、形状記憶布のグライダーマントという設定だったのを思い出しつつ、この滑空シーン以降、バットマンを見る目が変わってしまった。
そのマント、マジでただのマントなんだな、とw
まぁ確かにグライディングしようと思うとあの姿が最も合理的かつ現実的なのだろう。
あとこのシーンはここに至るまでの流れが好き。
- 至近距離で爆弾食らって気絶
- 警察署でマスク剥がされそうになる
- 目を覚ました途端ブチギレて大暴れ、あわや逮捕
- 警察署を脱出するためゴードンと一芝居打つ(のはずが本気でゴードン殴打w)
- 警察署内を全力鬼ごっこして屋上からジャンプ
なんというか、全部バットマン自身の血の気の多さと青臭さと油断が原因なのが面白い!
そしてパラシュート開くも着地失敗。いや死ぬだろあれw
◯◯力に全振りしたスーツ
DCマルチバース DCコミックス THE BATMAN-ザ・バットマン- バットマン(バージョン2) 12インチ・ポーズドスタチュー 黒
今回登場したバットスーツ、劇中で確認できた限りで言えば、防弾機能と腕に隠し持ったグラップルガンとスタンガンくらいしか特殊装備が見られなかった。バットマンといえば歴代シリーズでもお馴染みのガジェット描写は少なかった方だと思う。
ただ、上述のバットモービル然り、防弾性能だけはおそらく歴代最強だと思う。
これは、本作のバットマンの戦闘スタイルともぴったり重なる。ガジェットをカチャカチャ弄りながら戦うつもりなんかない。相手が銃で撃ってくるなら真正面から突っ込んでいく。そんな猪突猛進型の彼には実にピッタリな機能と性能を持ち合わせたスーツだ。
何せ至近距離でショットガンの直撃を喰らっても、目の前でプラスチック爆弾が爆発しても、高所から落下して地面に叩きつけられても命を落とさずに済んでいる。まさに防御力に全振りしたスーツだった。
グラップルガンを腰に携帯していないのも良い。本当にあれが必要になる場面では腰に手をかけている暇すらないはずだからだ。
あ、あの袖からカシャって出てくるの、「タクシードライバー」のオマージュか…?
しかしそんな彼が(私が覚えている限り)唯一ベルト周りから取り出したのが謎の薬品。
最終決戦時に、ショットガンの直撃を受けてダウンしたバットマンが体内に注入したものだ。おそらく即効性の鎮痛剤か、その後手がつけられないほど暴れていたので興奮剤か?とも考えたが、彼の興奮はその直前のリドラー一味の一言が引き金となっている気がしたので、ただの痛み止めだと考えたいが果たして。
ただどちらにせよ彼があんなものを持ち歩いているところが実に興味深い。相手を屈服させる強力兵器を持ち歩くのでも、目くらましの特殊装備を持ち歩くのでもなく、やられた時にもう一度立ち上がれるようにヤクブツを携行している。なんてやべーバットマンなんだ。※過去アニメ作品でも簡易の救急キットをベルトに携行しているのは見たことあるが本作とは描写の仕方も与える印象もまるで異なっていたと思う。
簡素なバットケイブ
※レゴ買いました。
そんな最低限の機能しか備えていないバットスーツ。防弾機能だけは絶対的なもののようだが、過去シリーズと比較しても、実に心もとない。
ゴードンと捜査するシーンでは普通に懐中電灯持ってうろうろ歩いているし。いや、懐中電灯代わりのライトくらいどっかに装備できんもんか?とか考えてしまうのだが、上述のグライダースーツ然り、本作のバットマンは「ただコウモリのコスプレをしただけの男」感が強い。
おそらく過去一「人間っぽさが強いバットマン」だ。
加えてバットケイブも実に簡素な作りだった。もちろん最新のハイテク技術が詰め込まれた空間には違いないのだが、過去作が経済力と技術力に裏打ちされた、薄暗いが広大かつ雄大な空間だったのに対し、本作のそれはこじんまりとした書斎か引きこもり部屋に近い印象だ。
それに、リドラーの謎解きを普通にお屋敷の円卓でやってたり、秘匿意識も薄いw
その結果屋敷に爆弾を持ち込まれることとなったのだろう。おそらく今後は警備が強化されるに違いない。
あと、バットスーツ格納庫も一切登場しなかった。
その理由は単純で、おそらく本作のバットマンは、最もバットマンでいる時間が長かったからだ。加えて、ブルースの姿でバイクにまたがり外出するシーンでは、多分下にバットスーツを着込んでいる。カウル等だけはバックパックに仕舞い込んでいるのか、持ち歩いていると思われるシーンが多かった。
その結果、ブルースでいるときとバットマンでいるときの境目が非常に曖昧になり、ブルース・ウェインという公人として外出した時でさえ、バットマンのような眼光の鋭さに一切変化がなかった。
もっとガジェットが見たい!とか、ハイテク機器を使いこなすバットマンが見たい!とか、プレイボーイなブルースも見たい!といった要求には一切応えてくれない本作だが、そこには「まだまだ血気盛んな2年目バットマンを描く!」という明確な演出的意図があって、他作品との見事な差別化にもなっていた。
例えば「ビギンズ」も本作同様、丁寧に新人バットマンを描いてはいたが、段々と我々がよく知るバットマンへと近づいていく=完成されていく過程が面白かった。
だが本作のバッツは、我々がよく知るバットマンへと完成してゆかない。過去のバットマンたちも無茶する奴ばかりだったが、そんな彼らですら堅実に見えるほど、本作のバッツは不完全で危なっかしい。堅実に装備を整えてから街へ繰り出すよりも、とっとと殴りに行った方が早いと考えているタイプのようだ。
予告編に一言
全編振り返ったときにほんの少し物足りなさを感じたのは、良いシーンは全部既に予告編に盛り込まれていたから。
バットモービルのシーンだけでなく、ペンギンの車吹っ飛ばして歩み寄る姿もそう。
警察署内で暴れるカットもそう。
式典に車が突っ込んできて縛られた男が爆弾巻いてるのもそう。
コーヒー飲んでて逮捕されるリドラーのシーンもそう。
泥だらけで空を見上げるシーンも、公開直前に「水害映像あります」のアナウンスが公式から出されたことで、「あ、濁流に飛び込むのね」なんて勘繰ってしまったし。
過剰にネタバレを気にするのもどうかと思うが、映像のツギハギだけでもストーリーの展開が読めてしまうのはちょっといやだなと。もうちょっとだけサプライズに残しておいて欲しかったかなーというのはワガママかな?
いや多分、3時間もある映画だしコケたら終わりなので出し惜しみしてられなかったんだろうとは思うんですけどね。
その意味では、以下は素直に劇場でびっくりできた映像だ。
- 何回も言うけどグライダースーツw
- バットモービルの恐ろしさ(これは映像だけの問題ではない)
- アルフレッド…
- リドラーの素顔
ま、何回予告編見たとて存分に楽しめる作品であることに変わりはない。
次回は、リドラーやキャットウーマンのこととか振り返ってみようかと思う。