ADAMOMANのこだわりブログ

特撮ヒーロー、アメコミヒーローを中心にこだわりを語るストライクゾーンの狭すぎるブログ

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仮面ライダー鎧武が今も人気な5つの理由

「仮面ライダー鎧武」が、今、熱い。

放送から7年経った現在、続編が製作され、いよいよCSMも始動。更には装動シリーズにもラインナップ。

平成ライダーの中でも超人気作となった「電王」と双璧をなすほどの根強い人気。果たして「鎧武」は、なぜここまで根強い人気を誇る作品となったのでであろうか。ここではその秘密の一端を解き明かしたい。

①戦国武将モチーフのカッコ良すぎるデザイン

まず、刀を携えた戦国武将というデザインはやはり直球でカッコいい!

RAH(リアルアクションヒーローズ) GENESIS 仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ 約150mm ABS&ATBC-PVC製 塗装済み 可動フィギュア【新品】

それでいて、球体のフルーツが鎧へと展開する折紙的機構と、幾重にも折り重ねられた甲冑の設定が見事にオーバーラップ。これまでに類を見ないほどに立体映えするシリーズとなった。

仮面ライダー鎧武 (ガイム) AC01 仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ

仮面ライダー鎧武 (ガイム) AC01 仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ

  • 発売日: 2013/10/05
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

↑実際に鎧が展開する機構を備えた「アームズチェンジシリーズ」も大好評だった。

本作に登場するほとんどのライダーがフィギュアーツ化されているそのラインナップの多さからも、その人気と売れ行きが伺える。

加えて、戦国武将モチーフでは限界があったため、世界各地のあらゆる鎧モチーフが採用されたことも作品バラエティを豊かにしている。

S.H.フィギュアーツ仮面ライダーバロン バナナアームズ  S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー龍玄 ブドウアームズS.H.フィギュアーツ 仮面ライダーグリドン ドングリアームズ(魂ウェブ限定)

バロンの西洋甲冑や、龍玄の中華鎧、ブラーボのスパルタン兵士ローマ兵モチーフのグリドン、更にはバイキングモチーフのシグルドなど、実に多彩で面白い。

和風鎧シリーズにおいても、和傘を松笠に見立てた足軽兵モチーフの黒影も渋いが、フルーツモチーフをグッと抑えて陣羽織のデザインを全面に押し出した鎧武・ジンバーレモンは実に素晴らしいデザインだった。加えて、家康モチーフのカチドキ、信長モチーフの極アームズ等、実在する歴史上の鎧と仮面ライダーの融合もまた本作の面白みの一つだ。

S.H.Figuarts 仮面ライダー鎧武 ジンバーレモンアームズ 15cm ABS&PVC製 フィギュア  S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー鎧武 極アームズ

 

②果物×錠前=テラフォーミング?!

仮面ライダー 変身ベルト ver.20th DX戦極ドライバー

本作のモチーフでやはり特筆すべきはフルーツ。それまでの仮面ライダー(及びヒーローモノ)では絶対に有り得なかったモチーフの一つだ。それが一体どうストーリーと絡むのか?

更に変身アイテムのモチーフは錠前。当初は「錠前って、何の鍵?!」と困惑したものだが、その錠前とフルーツをまさか、「禁断の果実」というフレーズでストーリーの根幹と絡めるとは…!

加えて、平成ライダー1作目の「クウガ」では当時の最大の恐怖=「若者による無差別殺人」を象徴する形でグロンギが設定されたように、

本作放送当時の最大の恐怖=3.11直後の日本を覆っていた「自然災害への恐怖」を、地球外の未知の植物によるテラフォーミングものとして置換。販促アイテムのデザインとも見事繋がった設定の固め方にも脱帽。

それに伴い、明確な敵組織が固定されるのではなく、ストリートダンサー同士の抗争を中心とした1クール〜ユグドラシルを相手に一気に激化していく2クール、そして新たなる敵・オーバーロードが多数登場する3クール・・・と、平成ライダーらしい「ライダーバトル」だけでなく、「デルザー軍団」を彷彿とさせる超強力怪人軍団との激しい戦闘、更には「クウガ」をも彷彿とさせる、人ならざる者への変貌を経験していく彼らの戦いはまさに仮面ライダー史のフルコース

しかし何より本作最大の敵は、「理由のない悪意」。そしてその正体は・・・!

 

③メインライターはあの「魔法少女まどか☆マギカ」の虚淵玄!

魔法少女まどか☆マギカ コンプリート Blu-ray BOX (12話, 283分)まどマギ アニメ / Puella Magi Madoka Magica Complete Series Collection [Blu-ray] [Import] 

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メイン脚本家があの虚淵玄となれば、一体どんな「鬱展開」が待ち受けているのやらと構えていた視聴者も多いが、確かに終盤の展開と盛り上がり方は凄まじいものがあった。そもそも平成ライダーシリーズ(特に龍騎)の大大大ファンを公言している虚淵氏。本作には特に初期平成ライダーシリーズへの回帰とリスペクトが見られる。

個人的に1クール目はつまらない。ストリートダンサーたちのステージ争奪戦や設定ガバガバのインベスゲームによくわからない理由で参戦してくる鳳蓮など、感情移入のしどころがわからないままものすごいスピードでキャラクターが増えてくるあたりは、悪い意味で平成2期っぽいのだが、これを意図的にやっていたという製作陣。

2クール目からは怒涛の勢いで本作の「ブラックな部分」が明るみになっていき、平成ライダー初期(クウガ、アギト、龍騎、555)のようなシビアな世界観へと突入していく。「1クール目は遊びだったんだよ」とでも言わんばかりの手のひら返しが恐ろしい。

いわゆる「マミさんポジション」のキャラクターも残念ながら存在する。あるキャラが「マミる」14話が本作のターニングポイントであり、私も何度も見返したエピソードだ。短絡的かもしれないが「まどマギ」との共通点も多々見受けられる本作。全話見終えた上で作品が持つメッセージを考察してみると面白いだろう。

更に特殊なのは、それまでの平成ライダーシリーズと異なり、あらかじめ最終回までのシナリオが決まっていたことだ(アニメの世界では常識だろうが)。だから、もう一度序盤に戻って見返すと、しみじみさせられる台詞が序盤から多数登場していたことにも気付かされて面白い。

 

④平成2期らしさから平成1期ぽさへの回帰

語ろう! 555・剣・響鬼 【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】

語ろう! 555・剣・響鬼 【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】

上述の通り、変身道具を劇中でも「おもちゃ」として扱っていた序盤から、それが単なるおもちゃではなかったことが発覚する2クール目以降、本作は平成1期のようなダークでディープな世界観へと突入する。

正直、アニメっぽく脚色されたキャラクターたちによるギャグっぽさを織り交ぜた明るくひたすらに前向きな世界観の作品には辟易していた。キャラクターたちがろくに「現実の恐怖」と向き合いもせず、大して強そうにもない敵を、どんどこ登場する新アイテムで倒していく姿からは、何の爽快感もカタルシスも得られない。

本来、既存のヒーロー作品の枠をぶち壊し続けることが存在意義だった平成ライダーシリーズも、いつしか様式美に満ちた「安定路線」へと落ち着き始めていた当時。それを再びぶち壊してくれたのが鎧武という作品だった。

しかし、様々な「制約」によって実現できなかったこともある。

  • 最強のライバル・戒斗(バロン)→主人公・鎧武を勝たせるため相対的に弱キャラに
  • 社会に抗うストリートギャングたちを主人公に→NGが出てストリートダンサーに
  • 「龍騎」の王蛇のようなヒールとしてのブラーボ→犯罪者ライダー設定がNGで変なオカマキャラに

序盤の物足りなさや気持ち悪さは、平成1期の頃にはなかった様々な「制約」のせいであったことも後のインタビュー等で明らかになっている。

しかしこれらも、

  • 戒斗の強さへのこだわりは一貫性を持ったキャラとして成熟
  • ストリートダンスの設定は序盤で早々に消え、チームの垣根を超えた友情が芽生え、元々モブだったザックが名脇役として大出世
  • よくわからん参戦の仕方をしていた鳳蓮も、城之内の師匠になってからは、危なっかしくも勇敢に不条理に立ち向かう子供たちを見守る頼れるおっさんへと進化

と、後のハードな展開の中で昇華されていく。加えて序盤から怪しさを垣間見せていたミッチがどんどんドス黒くなっていく様も見所の一つ。龍騎以来となる多人数ライダー入り乱れての各人が見せるドラマの結末からは目が離せない。

何より、第1話そのものに恐ろしい秘密が隠されていたことが発覚する中盤からの展開は、様々な制約がある中で「よくやってくれた」と拍手を送りたいところ。

ちなみに、仮面ライダー鎧武を全くご存知ない&これから見たい!という方にはこの公式動画がオススメ。


4分でわかる「仮面ライダー鎧武」その1

 

⑤豪華キャスト!

主人公の葛葉紘汰を演じたのが佐野岳

佐野岳ファースト写真集 GAKU

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おそらく平成ライダー史上「最も動ける主人公」ではないかと思う。バク転バク宙様々なアクションを変身前にも披露してくれた彼の身体能力の高さは、鎧武そのものの強さに見事な説得力を与えてくれていた。キャラクターとしても、曲がったことが許せない熱血漢を好演。彼の「ぜってぇ許さねぇ!」はライダー史に残る名台詞。

そんな彼の最大のライバルを演じたのが、BOYS AND MENの小林豊。

恋レピ(黒色ハート記号)BEST(DVD付)

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実は戒斗と全く正反対、真逆のキャラクターな彼。明るくてあどけない笑顔が可愛らしく、それでいて運動音痴なドジ系アイドルだが、そんな「地」を全く感じさせない彼の演技力は見事だった。

そして、呉島光実演じた高杉真宙。

想影

想影

今やドラマやCMにも引っ張りだこの彼だが、実は本作が出世作。紘汰たちの前で見せる笑顔と、その裏で暗躍する黒い顔のふたつを見事に演じ分けた彼の才能は、この時から輝いていた。

他にも多数の豪華キャストで構成された「仮面ライダー鎧武」。しかし忘れてはならないのが、ナレーターを務めた大塚芳忠。各話の序盤や、テレビCMなどでいつも聞く彼の声が、鎧武の世界観を骨太なものにしてくれた。

特におもちゃCMの「ぐぁあいむぅ!!!」は今も耳朶から離れない。

「ざぁああんげっつっ!!」も忘れられない。

 

今また話題の仮面ライダー鎧武。見逃していた方はこれを機に、当時見ていた方も是非もう一度。ちょうどYoutubeで配信スタートとのことなので、見返してみてはいかがだろうか。

変身!空からオレンジ!?

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  • メディア: Prime Video
 
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  • 発売日: 2015/01/16
  • メディア: Blu-ray