ADAMOMANのこだわりブログ

特撮ヒーロー、アメコミヒーローを中心にこだわりを語るストライクゾーンの狭すぎるブログ

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exile / Taylor Swift feat. Bon Iver(テイラー・スウィフト feat. ボン・イヴェール)和訳〜超絶意訳にて候〜

この歌に関しては、すでに先人たちによる素晴らしい和訳が数多生み出されているため大した需要はないとは思うが、何せこの歌が好きなので、自分なりの解釈で、自分なりに和訳してみたい。

特に大好きなボン・イヴェールとのfeat.となれば看過できない。


Taylor Swift - exile (folklore: the long pond studio sessions | Disney+) ft. Bon Iver

exile (feat. Bon Iver)

exile (feat. Bon Iver)

  • テイラー・スウィフト
  • オルタナティブ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

収録アルバムはこちら。

フォークロア(通常盤)

フォークロア(通常盤)

 

 例によって超絶意訳で突っ走る。

◆歌詞と対訳(意訳)

I can see you standing, honey

With his arms around your body

Laughin', but the joke's not funny at all

あいつといる君を見た

腕なんか回してさ

あいつといたってつまらないだろ

 

And it took you five whole minutes

To pack us up and leave me with it

Holdin' all this love out here in the hall

2人の思い出も

5分たらずで片付いた

このからっぽに僕はひとり

 

I think I've seen this film before

And I didn't like the ending

You're not my homeland anymore

So what am I defending now?

こんなの映画で見た気がする

オチが気に入らなかった 

もう君のもとへは帰らない

じゃあ何意地張ってんだ?

 

You were my town, now I'm in exile, seein' you out

I think I've seen this film before

Ooh, ooh, ooh

君の中から 追い出された僕は

ありきたりな映画みたいで

 

I can see you starin', honey

Like he's just your understudy

Like you'd get your knuckles bloody for me

そんな目で見ないで

代わりは見つけたの

私のためなら何だってしてくれる

あなたみたいな人

 

Second, third, and hundredth chances

Balancin' on breaking branches

Those eyes add insult to injury

2回、3回、何百回

もう限界だったの

だから そんな目で見ないでよ

 

I think I've seen this film before

And I didn't like the ending

I'm not your problem anymore

So who am I offending now?

こんなの映画で見た気がする

オチがつまんなかった

もうあなたを困らせることもないから

誰に言ってるんだろう

 

You were my crown,

now I'm in exile, seein' you out  

I think I've seen this film before

So I'm leaving out the side door

*1さようなら おいてけぼりの私は

*2ありきたりな映画みたいね

だからもう 出て行くわ

 

So step right out,

there is no amount

Of crying I can do for you

だから 出て行くんだ

泣いてたって仕方ないからね

 

All this time

We always walked a very thin line

You didn't even hear me out

(You didn't even hear me out)

You never gave a warning sign

(I gave so many signs)

ずっとそうだった

綱渡りだった二人

何も聞いてくれやしない

(何も聞いてくれなかった)

何も言ってくれやしない

(あんなに言ったのに)

 

All this time

I never learned to read your mind

(Never learned to read my mind)

I couldn't turn things around

(You never turned things around)

いつだってそう

*3わからなかったわけじゃない

(何もわかってない)

*4でも君はいつもそうだった

(あなたっていつもそうだった)

 

'Cause you never gave a warning sign

(I gave so many signs)

どうして話してくれないの

(どうしてわからないの)

 

So many signs, so many signs

You didn't even see the signs

何回も 何回も

でも 気づいてもらえなかった

 

I think I've seen this film before

And I didn't like the ending

You're not my homeland anymore

こんなの映画で見た気がする

オチが嫌いだった

もう君のもとへは帰れない

 

(repeat)

 

'Cause you never gave a warning sign

You never gave a warning sign

Ah, ah

だって 君が何も言わなかったから

あなたが何も話してくれなかったから

 

◆解説

*1

You were my crown, now I'm in exile, seein' you out  

さようなら おいてけぼりの私は

タイトルにもなっている"exile"には「流浪者」「放浪者」という意味がある。この歌の中では、お互いのことを小さな国家や土地のように例えた表現が出てくる。男性から見た女性は、"homeland"、"town"、女性から見た男性は、 "crown"。

これは勿論、相手のことを心の拠り所とすべきor帰るべき場所と捉えた表現だが、同時に、とある男女の別れを、小さな一国の王:一人の男が土地を捨ててさすらう様にも例えているようだ。そして、王を失った土地に一人残され、もはや誰もいない国の何者でもない女...その意味では彼女もまた放浪者だ。

しかし、その文脈をダイレクトに日本語に反映させると重たくなるしなんだかヤボったいと思ったので大幅に省いてしまったが、女性の方には「おいてけぼり」という言葉を残すことでそのニュアンスは辛うじて残したつもりだ。

 

*2

I think I've seen this film before So I'm leaving out the side door

ありきたりな映画みたいね だからもう 出て行くの

そんな「一国の王がどうといった話」、それこそが「どこかで見た映画」なのだろう。

きっと二人で過ごした日々の中で、そんな映画を一緒に見たのだと思う。そして二人の離別に対して、二人とも同じ映画の結末を思い浮かべている。

「とり残された側」だったはずの女性が「出て行くの」と言えるのは、「このつまらない映画の世界から」という意味だろう。"side door"とはシアターの暗がりの中でぼんやり輝くグリーンの下の重い扉のことではないだろうか。

「二人の思い出から出て行く」という意味にもとれる。

 

*3

I never learned to read your mind

わからなかったわけじゃない

基本的に直訳したら「全然わかってあげられなかった」という意味なのだろうけれど、この歌(とりわけサビ)は、お互いのせいにしながらお互いに真逆のことを言い合う「対比構造」が面白いと思うので、男のセリフはちょっと言い訳めいた口調にさせてもらった。

それに対して「全然わかってないよ」と突っ込む女性の言葉。最後まですれ違い続けた二人の気持ちがよりダイレクトに表現できればと。

けれど、別れたことをどうも悔やんでいるようにも見える二人。未練だけはたらたらな感じがまたなんとも愛おしくて切ない。

 

*4 

I couldn't turn things around (You never turned things around)

でも君はいつもそうだった (あなたっていつもそうだった)

正しく訳すのであれば、「状況を好転させられなかった」「どうしようもなかったんだ」というニュアンスなのだろう。しかしこの男性の後悔と独白にも、含みとして

「それは君のせいでもあるんだ」

って気持ちがこもっているだろうから、こんな意訳にしてみた。

そして、上と同様に二人が真逆のことを言いながら同じようなことを考えている見事なすれ違いっぷりを際立たせたつもりだ。

 

元カノとか元カレって、関係が長ければ長いほど、その人が好きなのではなくて、「その人と過ごす時間や空間が好き」に変わっていくものだと思う

だから、別にその人のことは嫌いになったとしても、いざ失うと、共有していた場所や時間も一緒に失われてしまうから、物凄く寂しくて、それこそ「流浪者」=自分が何者でもなくなってしまった喪失感に苛まれるんだよなぁ。

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