アダモマンのこだわりブログ

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バチェロレッテ最終回感想〜バチェロレッテは問題作だったのか?〜

 

※最終回までのネタバレを含みます。

エピソード8

エピソード8

怒涛の展開を見せ、衝撃と感動のラストを迎えた「バチェロレッテジャパン」。

ここではその最終回を私なりに振り返りたい。

◆福田萌子は決して特別な女性ではない

アフターファイナルローズ~旅の終わりは私が決める~

アフターファイナルローズ~旅の終わりは私が決める~

アフターファイナルローズ(トークショー)での萌子さんの言葉でも特に印象に残ったのは、

「黄さんに向けた言葉は自分にも向けた言葉でもある」

というもの。

となると、屋久島でのデートで黄さんに突きつけた

「もうリスクマネジメントするのやめない?」

という言葉もまた、彼女自身に向けられたものということになる。

これはどういうことなのだろうか?

 

彼女が杉ちゃんに語った過去の恋愛話などから推察するに、おそらく彼女は恋愛には本気になったことが今まであまりなかったのではないかと思う。ここで言う「本気」とは、彼女の持てる全能力を発揮して、という意味においてである。本気で恋はしてきたけれど、本気で結婚相手を探したことはなかったのではないだろうか。

「バチェロレッテ」の中では気丈に振る舞い、中途半端な覚悟の男性はあっさり論破されていく光景を見せられてきた我々からすれば、これまでもさぞこんな風にズバズバと男を斬ってきたのだろうと思いがちだが、その反面、彼女の語る過去の恋愛経験は、妙にありふれたものに聞こえる(勿論断片的な情報を元にしたいい加減な憶測だが)。

実は彼女も黄さんと同じで、相手に好かれようと振る舞い続けてきた結果、本気で相手を好きになったことがあんまりなかったのかもしれない。或いは、好かれたいも好きもなく、割とそのときの感情に任せて恋愛をしてきた=実は多くの一般人と大差ないごく普通の恋愛経験を持った等身大の女性な気がするのだ。

 

 

◆萌子さんと黄さんの似ているトコロ


『バチェロレッテ・ジャパン』 ー僕はバチェラーの親友/黄 皓

更に勘繰るならば、彼女はその情熱も才能も持てる力の多くを仕事にのみ注ぎ込んできたタイプなのではないだろうか。だから、自分の将来=結婚について、こと真剣に向き合ったことが今までほとんどなかった。

裏を返せば、それまで仕事に向けられていた全精力を一気に「バチェロレッテ」へと注ぎ込んだのがこの3か月だったようにも思える。

だから、我々が萌子さんに惹かれるのは実は彼女の仕事姿勢そのものなのかもしれない。相手を深く知ろうとする眼差し、懐の大きさと共にある厳しさ、そして美しい言葉選び…。だがそれは、あまりにも誠実すぎるが故に、彼女自身をとことん苦しめていくこととなる。

誰を前にしても誠実であろうとするスタンスは、いつもビジネスライクな黄さんと確かに近しいものがあるし、そのためにときには自分を殺してきたその辛さや苦さみたいなものが、彼らをまとうオーラとしてシェアできたからこそ居心地の良さを感じたのだろう。間違いなく彼女は黄さんに恋をしていたと思う。

 

 

◆心を動かせる萌子と心を殺してしまう黄

だが、黄さんと萌子さんの2人の決定的な違いは、自分の置き所だ。

萌子さんは、相手をまっすぐ見つめながらも自分を見失うことは決してない。相手と一体化したかのような深い共感・共鳴を見せる彼女だが、確かにそこには厳然と彼女がいる。彼女は相手に合わせて心を自在に動かせるのだ。

「完璧=容姿」しか挙げられなかった藤井さんを見つめる瞳はとても冷たい色に思えたが、今思えば実はそうではなくて、容姿にコンプレックスを抱えているのであろう彼の辛さの領域に彼女が踏み込んだからこそ表れた「悲しみの色」だったのだ(今見返すと気付くことが多々ある)。

しかしそんな彼女とは対照的に、黄さんは自分を完全に殺してしまう。自分の存在を、どこかで見た理想的な◯◯のようなもののトレースに置き換えてしまう。理想的な男性、理想的な恋人、理想的な夫…。それが自然にできてしまうカッコ良さとは裏腹に、どこか演じているような嘘臭さもそこにはあった。だから、本当のあなたはどこにいるの?と問われてしまう。

けれども、「自分が好きになるより好かれる方が2人の空間が幸せになるなら...」という黄さんの吐露には思わずもらい泣きしてしまった。自分にも近いところがあるからなのかもしれない。嫌われる前に、好かれるように防御してしまう。ものすごくよくわかるなぁ。

 

 

◆黄さんはやっぱりローズをもらえない

でも、そんな弱い自分を見せた後の黄さんには拍子抜けだった。

せっかくその弱さを出せたのに、「悔いはありません」とか言っていて、

「あれ?黄さんあなた今になってやっとスタート地点に立ったのに、ここからもっと萌子さんと向き合ってあげないの?」

って、ものすごく物足りなさを感じてしまった。要は、本当に萌子さんのこと好きなの?と。

そもそも、萌子母との食事会や、ベッドの上でのパジャマデートなど、何度も何度も再三チャンスをもらいながらもずっとカッコつけ続けている黄さんは情けない。こんな最後の最後になってようやく萌子さんに本当の自分をさらけ出させてもらったのなら、その恩返しをしたくなるものなんじゃないのか?今度は萌子さんの心をリラックスさせてあげなよ、と。

だから、黄さんとなら絵に描いたような結婚生活は手に入りそうだけど、それはきっと、絵に描いた餅になりそうだなと、実態としては中身のない結婚になるような嫌な予感がしたし、それに萌子さんも気付いてるだろうから、あの時点で黄さんはないなと思った。

 

 

◆でも、杉ちゃんだってローズをもらえない


『バチェロレッテ・ジャパン』 ーアートで愛を奪い取れ/杉田 陽平

じゃあ、杉ちゃんだったら良いのか?というと、結果的にはそうでもなかったのだけれど、私としては杉ちゃんを選んでも良かったのになって思ってしまう。

杉ちゃんの持つ感性は、間違いなく萌子さんと綺麗にシンクロしている。「恋人」には黄さんかもしれないけれど、「結婚」なら杉ちゃんだろうなと。

ここで言う「結婚」というのは、おじいちゃんおばあちゃんになっても一緒に暮らしていくっていう意味合いだ。それなら、杉ちゃんはこれ以上ない伴侶ではないか?

だが、彼女はとてつもなく高い共感力を持ちながら同時に、そんな自分を冷静に俯瞰できてしまう。その結果、杉ちゃんには「恋」ができなかったのだろう。絵描いてもらってるときかな?「私、ときめいてない」って気づいたのだろうか。

けれど(これは私の持論だが)、結婚に恋心なんてそんなに必要ないのにな、とも既婚者としては思う。ずっと喋ってて飽きない、そんな気心の知れた異性の友達、くらいが案外結婚には丁度よかったりするものだ。

要は、萌子さんも良い意味でもっと馬鹿になれば良いのに、とは思う。

けれども、彼女が納得できなければ確かに前には進めない。恋人という道を辿って結婚に行き着く以上は、確かに恋人にふさわしくない人間に、結婚する資格はないのだ。

 

 

◆選ばれることのなかった17人の男たち

これら一連の彼女の思考過程を、やはり終盤まで残った男性陣は瞬間的(直感的)に理解していたように思う(ローズや北原くん)。

萩原さんが噛み付いたのは意外だったが、彼は萌子さんではなく、男性陣の想いを代弁しようとしたのだろう。だが、私にはその感覚が全く理解できない。負けた男がルールがどうこうと文句を言う姿はちょっと不様で滑稽だ。

そもそも彼らと彼女とでは、ローズ一本に込めた想いと意味合い(解釈)が全く違っていた。何よりも、この番組で結ばれた2人が後々になって結局、「別々の道を歩むことになりました」報告をするのがまた見たいのだろうか?もうそれは、懲り懲りなんじゃないのか?

www.oricon.co.jp

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とは言え、結局そんな萩原さんも萌子さんの想いに共鳴して号泣。選ばれなかった男の悔しさも、選ぶ女の辛さも同時に理解できるなんて、本当に素敵な方だなって、男らしくて良い奴ばっかりだなってやっぱり、「バチェロレッテ」は清々しい。

www.adamokodawari.com

 …とまぁこんな風に思ってしまう私も彼らと同じく、福田萌子という女性の人間性に惚れ込んでしまったのかもしれない。

けれども、黄さんと杉ちゃんが2人とも選ばれなかった事実を知った瞬間の映像が何よりも面白かったし、やっぱりこの2人が誰よりも彼女の理解者だったんだなと改めて思った。彼女の前代未聞の「ルール違反」を、2人で笑って終わらせてしまったあのあっけなさには、やはり彼女への全幅の信頼が感じられる

「萌子さんの空気読めないところがあるけど、そこが好きになったからな」

なんて「惚れたもん負け」って事実をスッと受け入れられる彼らは本当にカッコ良かった。

ちなみに、黄さんと杉ちゃん正直どっちが好き?と聞かれたときの萌子さんの答えは、忖度なしの本音だろうなと思う。今回登場しなかったので勝手な想像ではあるが、黄さんは父親に似ているのではないだろうか。理性的かつ知性的な思考力と頭の回転の速さは父親譲りなのではないかと思う。

それに対して杉ちゃんは母親似っぽい。どんなものにも美しさを見出す感性、それを優しい言葉にする表現力、相手の心を深く慈しむ心。

2人のどっちが好きか?という問いは、「お父さんとお母さんどっちが好きか?」という問いにも等しい。そりゃあ答えられる訳がないのだ。

 

 

◆黄さんと杉ちゃんの決定的な溝

だけどそれでも、私は杉ちゃんが最もバチェロレッテに近づいた男だと評価している。

萌子さんがベッドの上で黄さんに問いかけた、

「自分をカテゴライズされそう」

という言葉を覚えているだろうか?これはあくまで私の解釈ではあるが、ハッキリ言ってしまえば 「黄さんって自分に見合うハイスペックな女性を手に入れるためにバチェロレッテに参加してるんじゃないの?」という実に厳しい斬り込み方だ。彼女を「お嬢様」扱いして嫉妬の沼に陥った元彼の話を引き合いに出しているところからも、黄さんもその元彼のように、「ハイスペックな女性を自分のお飾りとして横に置きたいだけなんじゃないの?」と思われてしまったし、その疑念は(少なくともその場では)全く晴れていなかったように見える。

しかしその真逆の言葉をまっすぐ彼女に届けたのが、杉ちゃんだった。

最後の最後、もう一度告白した彼の言葉、

「バチェロレッテとしての福田萌子さんじゃなくて、普通の萌子さんが好きなんです」

という言葉は、深く深く彼女の心に届いたに違いない。

もちろん彼女の言う通り、「タラレバは無い」けど、もし黄さんがこんな告白をしていたら、黄さんがこんな言葉を言えたのなら、きっと黄さんがファイナルローズを手にしていたに違いない。そして最初のカクテルパーティで伝えたように、「ハオさん」と彼女に呼んでもらえるはずだった、とは思うのだ。

 

 

◆福田萌子は結婚できない女なのか?

今回のような波乱の結末を迎えて、福田萌子の人間性に感銘を受けた視聴者も多数いる一方で、彼女は結婚できない女性の典型、なんて評価も目立ったが、果たしてそうだろうか?

上述の通り、彼女はおそらく人生で初めて真剣に結婚というものと向き合い、短時間で結論を迫られる地獄に苦しんだに違いない。だが、彼女がしきりに口にする「経験-experience-」という言葉、経験を糧にしていく彼女の価値観、信念に思いを馳せたとき、彼女なら、この経験を必ず次の出会いへと活かせるに違いないと思える。

もっとざっくり言えば、一番力んだ、力みきった恋愛を短期間で経験できたからこそ、今度は良い意味でもう少しリラックスした恋愛ができるんじゃないかと思う。

萌子さんも、黄さんも、そして杉ちゃんも、みんなが幸せな結婚に、そして真実の愛にたどり着けますように。彼らの本当の旅は、これから始まるのだ。

(とかそれっぽく終わらせておく)

エピソード8

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