ADAMOMANのこだわりブログ

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「仮面ライダー庵野秀明セレクション」から大予想〜シン・仮面ライダー予習〜

シン・仮面ライダー公開まであと約2週間。

 

今回は、【庵野秀明セレクション「仮面ライダー」傑作選】より、庵野秀明氏が幼き日より心酔する「仮面ライダーの真の魅力」と、「シン・仮面ライダー」に込めたであろうメッセージを読み解きます。

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最新情報|『シン・仮面ライダー』公式サイト

◆エピソードリスト

以下が、公式サイトに発表されている傑作選のエピソードリストです。多分庵野氏もこの数まで絞るのに相当悩んだんだろうなというのがエピソードの顔ぶれからもよく伝わってきます(笑)

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現在4回目まで放送されてますが、私はアマプラの「マイ★ヒーロー」を使って先に改めて全部見直しました👍

ここからはこのリストを元に色々展開予想してみます!

※本記事はこれまで同様、公式公開最新情報や「真の安らぎはこの世になく」最新話までのネタバレを含みます。

 

 

 

◆闇夜に蠢く異形たち

第2話「恐怖蝙蝠男」

第2話「恐怖蝙蝠男」

第1話、第2話、第4話、第5話は1クール目のいわゆる「旧1号編」からのチョイスでしたが、これら初期作品群に共通するのが「暗さ」「怖さ」「不気味さ」です。庵野氏も共通して以下のようにコメントしています。

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庵野氏の言う「暗い怪奇アクションのエッセンス」というのはもう見ていただければすぐおわかりいただけると思います。

画面全体の暗さ、生理的嫌悪感すら感じさせる怪人たちの奇妙な声や動き、顔を真下から照らして恐怖を煽る照明、容赦ない殺人描写…。もうお化け屋敷を見させられているようなものです。

そもそも「仮面ライダー」という作品自体、「怪奇アクション」と銘打たれて始まった作品でした。

特に第2話に関する以下の庵野氏のコメントが面白い。

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ライダーも濃紺か濃緑色のスーツなので夜だと本当によく見えないんですよね。

近年はかなり美麗にブラッシュアップされたBlu-rayとか配信映像があるのでまだ見れますけど、私が子どもの頃のレンタルビデオの画質なんかひどいもんで、本当にライダーと蝙蝠男の区別がギリギリつくかつかないかっていうくらい見えづらかったですから(笑)

それを「マンション屋上の暗闇に蠢く」って表現するのは庵野氏さすがです。「世間の誰も知らないところで戦うライダーとショッカー」という作品のイメージにもピッタリでした。

特に第2話はマンションという密室が舞台なのが良いんですよね。恐怖を増長するし人知れず事件が起こる感じにも説得力が出ます。

ちなみに、石ノ森章太郎氏も生前「暗闇」の重要性を語っていました。「近年は都市化が進み暗闇が消えつつある。しかし暗闇の中に身を置いてこそ、想像力などあらゆる感覚や感性が研ぎ澄まされるはず」…と、夜の闇が持つ教育的価値さえも熱弁していました。※奇しくも、あの水木しげる氏も全く同じことを語られています。

「シン・仮面ライダー」でも暗闇に蠢く改造人間たちの人知れぬ斗いが描かれることを期待しています!

 

◆考察!蝙蝠男

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©︎石森プロ・東映/「シン・仮面ライダー」製作委員会

公開されたコウモリオーグの正面画像、期待通りヤバイですね(笑)

白衣で試験管だらけのデスクに腰掛ける後ろ姿はまさしく「不気味で知的な人間蝙蝠」です!

また、仮面ライダーチップスのカードには白いタキシードに身を包んだスチルも確認されており、不気味ではありますがどこかジェントルな印象も受けます。

ただ、本作に登場する他の改造人間らと違って仮面なしでも顔が異形と化しているのが気になります。

例えばクモオーグは、「真の安らぎは〜」でもただれた素顔が登場するものの、これは自ら酸を浴びて溶かしたときの傷跡であることが明かされており、改造手術とは無関係です。おそらく本来は普通の人間の顔をしているはずで、サソリ姉さんもずっと普通の顔をしています。

イチローくんも、感情が昂ぶると例の傷跡が浮かびますが普段は普通の顔ですし、同じプラーナを注入されて完成するであろう仮面ライダーも同様と考えられます(バッタのような手指のカットもあり完全体状態ではわかりませんが…)。

それに対してコウモリオーグは終始この顔のままのようです。

これは、改造人間にも様々なパターンがあることを意味していると思われます。

原典「仮面ライダー」でも、第3話に登場したサソリ男なんかは人間の顔の方がマスクで、それを剥がすとサソリ男の顔が露出していました。

「真の安らぎは〜」に見られるSHOCKERの設定を参照するなら、おそらくこのコウモリオーグもイワン博士の手によるものでしょうが、イワンの実験過程で生まれた怪人のひとり、とも解釈できそうです。

いずれにせよこの蝙蝠男、別称を「人間蝙蝠」とも言うように、まさにその生身において人間と蝙蝠が融合しているのです。

庵野氏も「人間蝙蝠」と呼称するところが「通だな〜」と思いますね。コウモリオーグも、「蝙蝠男」というより「人間蝙蝠」のオマージュなんです。こういう細かいところにオタクの真髄というかこだわりが滲み出てます。

 

◆編集のテンポと段取り省略の面白さ

第1話「怪奇蜘蛛男」

第1話「怪奇蜘蛛男」

庵野氏は各話のコメントの中で編集のテンポに言及していることが多い印象があります。

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確かに、編集技術が生み出す圧倒的なテンポ・スピード感の妙味こそ仮面ライダーの持ち味です。

カメラワークやライダーの面のカッコ良さなど、さすが映像クリエイターらしい着眼点に感心してしまいますが、裏を返せば「シン・仮面ライダー」ではそれらが遺憾無く発揮されるはずです。

また、おそらく2時間程度の単発映画作品ながら、クモ、コウモリ、サソリ、ハチ、第2のバッタ...と現在判明しているだけでも結構な数の怪人が登場するはずです。おそらく我々が想像する以上のテンポの良さでサクサク物語が進んでいきそうな予感がしています。

なお「真の安らぎは〜」の中でクモとサソリはかなりクローズアップされていると感じていますが、これはその分映画本編での出番が少ないことの暗示ではないか?とさえ思っています。あくまで主役は仮面ライダーたちですから、描ききれないSHOCKERサイドを漫画でスピンオフにしたのは非常にありがたい判断ですね。

 

◆怪人は人間に戻れるのか?

第16話「悪魔のレスラーピラザウルス」

第16話「悪魔のレスラーピラザウルス」

公式サイト「庵野秀明セレクション」のページでは、庵野氏の各話に対するコメントが毎週更新されていますが、未だ放送されていないものの中には選択理由がイマイチ判然としないものもいくつか残っています。

なので勝手に予想するしかないのですが、私が今一番注目しているのは、ピラザウルスの回と、キノコモルグの回と、イソギンジャガーの回です。

これら3つのエピソードの共通点、何だかわかりますか?

3体とも、怪人の素体となった人間が描かれていることなのです。他にもそういったエピソードはいくつか存在しますが作品全体を通してそこまで多い訳でもありません。

他にはさそり男、トカゲロン、ハエ男、ゴキブリ男、サボテンバット...くらい?

とりわけ中でもピラザウルスとイソギンジャガーの2体に関しては、なんと仮面ライダーに倒された後、元の人間に戻っているのです。

※↓先日の記事で「あの仮説」を提唱した根拠はここにもあります。

その関係もあって、実際のエピソードには怪人の肉親(息子及び娘)も登場し、引き離された家族の悲劇と情愛も描かれました。

「シン・仮面ライダー」にも緑川弘とその息子・イチロー、そして娘のルリ子が登場します。何らかの形で、「肉親が怪人になってしまったら?」というテーマが描かれるような気がしています。そして更には怪人が元の人間に戻る、なんて展開もあり得るのでしょうか?

いやむしろその展開は仮面ライダーのためにこそとっておきたい、と考えるのは甘すぎるでしょうか...?

 

◆真紅のマフラー

第92話「兇悪! にせ仮面ライダー」

第92話「兇悪! にせ仮面ライダー」

「8人の仮面ライダー」を見返していて一番ピンときたのがあのシーンでした...。

偽ライダー「それは俺が預かろう!」

一文字隼人「...ライダー、いつからそのマフラーを?」

滝「そういえば...?」

立花藤兵衛「お前まさか?!」

第93話「8人の仮面ライダー」

子どもの頃から「おいおいグローブとブーツも違うやん滝もおやっさんももっと早く気づけよ😅」なんて思ってましたが、よく考えればグローブとブーツは本郷も一文字も替えたことがあるので根拠にならないんですよね。

ただ、一文字にとって「絶対にあり得ない、おかしい」と思えたのがマフラーの色だったのです。

ライダーが赤いマフラーを巻いている理由は劇中では全く説明されませんでしたが、改めて見直してみて、本郷と一文字の二人だけが知っている何か特別な理由があるような気がしました。

そして「シン・仮面ライダー」では間違いなく仮面ライダーが赤いマフラーを巻く理由が描かれます。というか庵野氏がマフラーをキーアイテムにした起源がこのエピソードのこのシーンにあるとしたら何だか嬉しいな。

 

◆ショッカーライダーの正体?

第23話「空飛ぶ怪人ムササビートル」

第23話「空飛ぶ怪人ムササビートル」

「シン・仮面ライダー」には仮面ライダー第2号こと一文字隼人も登場しますが、どのようにしてショッカーに改造された一文字隼人が本郷猛と共闘するようになるのかまではまだわかっていません。

ただ、すでに各所でも予想されているように、初めはショッカーライダーの一人として本郷の前に立ちはだかるのではないか?とも言われています。

これは原作萬画版とも同じ展開ですし、庵野秀明セレクションに「8人の仮面ライダー」が含まれていることもその暗示に思えます。

ただ、上述の通り最終的に「本郷と共闘する」のは間違いないはずです。ダブルライダー編のエピソードが二つも(スノーマン戦とギルガラス戦)リストに含まれているからです。

加えて新ポスターは桜島カラーの1号。ライダーダブルキックが出ないはずがありません(笑)

ただ、これはまだあまり出ていない予想かもしれませんので一応言っておくと、私は緑川イチローこそショッカーライダーになるのではないか?とも思ってます。「真の安らぎは〜」の中で黄色いマフラーを巻いてるっぽい(白の可能性もあります)というのと、キャストが森山未來さんだからです(笑)

緑川イチローのマフラーは「白」だったことが単行本カラー表紙にて明らかになりました😅(※3/13追記)

「仮面ライダーの生みの親の実の息子=改造人間」なんて美味しい設定をどう活かすか?と考えたとき、仮面ライダーの宿命のライバルとして登場するのだとしたらそれはもうショッカーライダー以外あり得ないだろうと。しかも仮面ライダーと同じプラーナ注入型なのは確定してますしね。

ま、これからどんどん庵野氏のコメントも公表されていくので、それに応じてまた予想や考察を追記していこうと思います!今回はとりあえずここまで!